プロ講師を有効に活用するには?Part3家庭学習の重要性

 以前、難関校専門S塾では、その日の授業を生徒が理解したことを前提に課題が出され、そこで解き方を習熟し、次回は次のカリキュラムへと進む、と書きました。集団塾に、個々の生徒が「理解」したか否か、を求めるのは無理です。
 
 だから、「結論!最後は個人指導しかない!」と書いたのです。その日の授業内で理解できなかった生徒が、それを踏まえた授業に進めば、落ちこぼれてしまい、毎日そんな生徒が拡大再生産していく仕組みだからです。

 私なら、どこで躓いたのか、どこまでは理解できているか、どんどん基礎に遡及して、その土台を築くことがまず第一。それなのに、高校で英語が苦手な生徒は、中学の英文法が全く解っていないのに、学校で大学受験問題などをやらされて苦しんでいるのです。学校も集団指導ですからね。

 だから、次の定期試験では赤点を取らないように、どこの家庭が必死で学校の試験範囲を送って下さるのですが、英語の初期で「理解」できていない生徒様に、そんな高水準の定期試験対策、即効性を求められても不可能なのです。一言でいえば、演習不足。

 土台づくりには相当時間が掛かるのに、多くのご家庭は「プロ家庭教師を頼んだんだから大丈夫」と思っていて、いくら「基礎から始める必要があるので、学校レベル(特に私立中高一貫)の定期試験で点数を上げるには相当長い目で見て頂かないと」と繰り返し申し上げても、頷いてはくれても、困ることが多々あります。

 どうしてここまで理解不能になるまでお子様を放置していたのか?と思うと、必ず「塾に週〇回通わせていた」と塾にお任せ。まず「理解」して貰い、それを実践で脳の中に「定着」するための課題を出し、演習問題を徹底するーそれは授業中ではなく、授業後、次回までに「家庭学習の徹底」をして頂かないと、試験には反映されません。

 ですから、カウンセリングでも毎回必ず「家庭学習の重要性」を強調しているのですが、ご家庭内で生徒様に集中して演習する環境を、まず、是非
整備して頂きたいのです。授業で課題を出すのは、その内容を目で見て、口に出し、手を動かし、身体で定着して頂くのが必須だからです。

 なかなか成果が上がらないのは、その殆どが「課題、時間が無くてできませんでした。」という生徒様です。そしてあっという間に定期試験日が来て期待値の高過ぎるご家庭から「コスパが悪い」と思われても・・・。

 辛いところです。
(続く)

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