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コミュニケーションに必要な物語

相手の立場ってやつについて、あんたも色々と考えているかい?

多分、仕事の中でもっとも難しくてままならない要素は何かと問われたら、「コミュニケーション」と答えると思う。

コミュニケーションってやつは本質的に「自分がどうやって得するか」ってことを念頭に置いて行われることが多いんじゃないかな?
まあ、仕事という「責任」を伴う事柄においては特にそうなんだと思う。
誰もが「うまく行かない原因」が自分にあるってされたいとは思わないだろうからね。

でも、まあ自分のことだけを考えていると、コミュニケーションってやつは当然のようにうまく行かない。
誰も、あんたがどうなるかよりは自分がどうなるかのほうが気になることなわけだからね。

今回は、そのギャップについて、どうしたもんだろうねぇとオッサンが知恵を絞ってみようとあがく回だ。

まあ、あれだ。届け。このもがき。

相手のことを考えるってこと

そもそもコミュニケーションという手段を使う目的は何か。

ヒトという種族が今の地球でもっとも繁栄している理由の一つにこのコミュニケーションってやつがある。
ヒトは1人では大した力はない。ライオンとタイマンしたら大多数のヒトは負けるっていうか食われるだろうし、ゾウとだったら踏み潰されるだろう。

それでもヒトは道具を作り、組織を作りそれらの驚異に立ち向かうすべを手に入れている。

ヒトはその組織を作り上げるために利用しているものがある。
それが物語だ。

宗教だったり、法律だったり、国だったりという実体として物理的に観測することは出来ないけれど、それが「ある」ということを確信していることって結構たくさんあると思うよな?

そういうものは、全て物語だ。
宗教の「神はいる」という物語。
「人を殺してはいけない」という物語。
「日本」という物語。
すべて例外なく物語ってわけだ。

ヒトという種族の特徴として、この物語の上で一致協力するという能力がある。
ライオンは、「どこそこに獲物がいるよ」は共有できても、「この獲物をとるためには神に感謝しないといけない」とは思えないし共有もできない。
ゾウは「水浴びは気持ち良い」と共有できても「この水浴び場は我が国固有の領土だ」とは考えられない。

つまり、俺たちヒトがするコミュニケーションで「相手のことを考える」というのは、この共通の物語を探るってことに他ならないってことになるよな。

共通の物語を想像する

では俺たちの共通の物語というのは何なのか?

それは相手と自分が共有出来ている「目標」ってことになるのかも知れない。

俺たちシステムエンジニアにとっての目標ってのは、プロジェクトの成功だってケースが圧倒的に多い。
そして、そのプロジェクトの成功というやつは、プロジェクト計画書の冒頭部分のプロジェクト憲章という部分に明記される。

でも往々にして、このプロジェクト憲章ってやつは、読まれもしないケースが多発する。
何つっても、目の前にある作業に忙殺されて「あれ?なんのためにこれやってんだっけ」なんて思春期の少年のようなことに思いを馳せている余裕が無いんだよな。

そうなると目標をまともに意識しない作業をみんながバラバラにやっていくことになるので、ヒトの特徴である「物語で一致団結する」ってパワーを使えなくなるんだよね。

だからこそ、プロジェクトマネージメントの教科書と呼ばれるPMBOKではこのプロジェクト憲章についてキッチリと定義されている。
あんたのところでもプロジェクトが進行しているなら、改めてプロジェクト計画書に目を通す時間を作ったほうがいい。

そこには必ず「目標」が立てられている。
その目標こそが、あんたが一緒に仕事をするヒトとのコミュニケーションに必要な物語そのものだ。

実のところ、俺たちは相手一人一人の立場ってやつを考えている余裕はほとんどない。
各々別々の事情で動いているわけだから、すべての人の立場を尊重するってのは至難の業だ。

だからこそ俺たちは「物語」を軸に据えたコミュニケーションをする必要が出てくるってわけだ。

なあ、あんたのところはどうだい?

コミュニケーションの軸となる物語を土台にしたコミュニケーションってやつが出来ているかい?

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