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今再びペルソナ3を撃ち出す意味『P3R | ペルソナ3 リロード』


はじめに

ゲーム概要などは発売前に書いたこちらの記事をご覧ください

1週目ではありますができるだけ要素を回収しながらクリアしたので改めてレビュー書きたいと思います。

最初に結論述べておくと、
アトラス本当にありがとう…
やりたかったペルソナ3が全部できました


1週目クリア実績

難易度ノーマルでクリアまで93時間
コミュは2人残してほぼMAX
リンクエピソードは全部完走
刈り取るものを倒していたのでクリア時点でレベル99
ペルソナもルシファーやメサイアまで作れました
最強の人は倒してないです


これ以降はネタバレありなので気をつけてください。



グラフィック/デザイン/UI

やっぱりリメイクになって一番新鮮味があったのはグラフィックまわりですね

キャラモデル

キャラクターのモデリングがペルソナ5よりも更に良くなって、日常生活でもバトルでもキャラクターの格好良さや可愛さがよく表現されています。
キタロー結構背が高いんだなとか、ゆかりっち可愛いとか、美鶴先輩お美しいとかコロマル可愛いとかアイギス可愛いとか、キャラクターがより魅力的になっていて見応えがあります。

ムービーシーンなんかはアニメーションよりもモデルが動いているムービーの方が表情も雰囲気も出ているくらいです。

また、ライティングに関しては特に力入れている感じがあります。
影時間の緑と赤の陰鬱とした色合いだとか、夕方の空気感とかの3Dモデル上の表現もされてるんですが、キャラのバストアップ絵とかにもそのライティングが反映されているので画面いっぱいを使って雰囲気作りがされています。
特に終盤、年明けのひんやりしていて色落ちしたような雰囲気は、本当に寂しい世界の終わりの感じが最高です。

P3の終盤は無気力症の人々が街に溢れかえり、カルトの貼り紙がそこかしこに貼られたまさしく世紀末な雰囲気になりますが、リメイクでリアルな頭身で人ごみの描写が可能になったことで、まるでゾンビ映画みたいに荒廃した街が再現されています。
物語終盤のポロニアンモールに初めて行った時なんかは思わずうわぁ…と声を漏らすくらい最悪な雰囲気が漂っていて最高でした。

イラスト

さて、グラフィックと言えばバストアップやバトルのフィニッシュなどの一枚絵も、現代に合わせてブラッシュアップされていて、古臭さを感じない出来になっています。
一枚絵のゆかりっち可愛すぎる

一方でキャラの私服デザインとかは当時から変わっていないにもかかわらず、今見てもなかなかアヴァンギャルドだなと感じます
ゆかりっちとか真田先輩とか…

また、リメイクからの新衣装として戦闘服が追加されましたが、これもスタイリッシュなうえにキャラによって個性が出ていて好きな要素です。
あとカットインかっこよすぎる…
歴代で一番好きなカットインです

UI

最後にUIですが、原作の比較的シンプルな四角形で仕切られた要素もありつつ、P5などから導入されたUI上でキャライラストやモデルを動かすという演出も取り入れられており、P3としての雰囲気は残しつつ見応えもあるUIになっています。

心の海って感じのUI

バトルUIに関してもP5から導入された各ボタンにコマンドを割り振った仕様が採用されており、テンポのいい戦闘が楽しめます。

UIに関してはファミ通さんのインタビュー記事が面白いのでぜひ。
UIのために主人公の別モデルまで用意したらしいです。

あとペルソナチームというかアトラスはUIに力入れてる分デザイナーの給料も高いとかどこかで聞きましたね

BGM/サウンド

本作ではリファインされた原作からの曲と本作からの新曲が収録されています。
原作でのボーカルは川村ゆみさん、ラップパートがLotus Juiceさんでしたが、本作の女性ボーカルは高橋あず美さんが担当されています。
川村ゆみさんの力強く魂こもった歌い方も好きですし、今作の高橋あず美さんの柔らかい発音と安定感のある歌い方のどちらも好きです。

新OP『Full Moon Full Life』

OPの『Full Moon Full Life』はP3の馴染みあるフレーズを取り入れ、原作OPの『Burn My Dread』に対するアンサーのような歌詞が綴られる、軽快でスタイリッシュながらも原作ファンへのサービスに溢れた曲に仕上がっています。

というかOP映像が本当にファンにとって最高過ぎます。
ファンにとってはMP3プレイヤーで『Burn My Dread』のイントロの2音が流れるところでもう最高、初見は思わず声が出ました。
(個人的にP3のオリジナルのOPが今までやったゲームで一番好きなのでなおさら)
それからめちゃかわになったゆかりっちと、容赦なく曇らされる順平、
モノレールの中で向かい合う真田先輩、荒垣先輩、天田君の映像が関係性オタクにぶっ刺さります。
寮の作戦室っぽいとこのソファで頭撃ち抜くキタローとLotusニキのラップがめちゃかっこよく、続くサビでの仲間たちのペルソナ召喚と、ファルロス→幾月→タナトス→綾時という不穏なカットが本作終盤までの展開を思い起こさせます。
そしてボーカルの締めの「Burn your dread.」という原曲『Burn My Dread』へのアンサーとなるフレーズが最高にエモい。
でそこから打って変わって仲間たちの交差する爽やかで軽快なアウトロに、本作のリメイクされたクリーンさが感じられます。

という感じでP3ファンはOP映像だけでもうめちゃくちゃ楽しめてしまいます。

新戦闘曲『It's Going Down Now』

また、戦闘曲については通常戦闘曲は原曲リファインの『Mass Destraction』、先制戦闘曲は新曲の『It's Going Down Now』の2曲が用意されています。
『Mass Destraction』はもう言うことなく最高として、『It's Going Down Now』も『Mass Destraction』をベースにしているのはもちろん、ボーカルの柔らかさがP3P女主人公版の戦闘曲『Wiping All Out』の雰囲気も感じさせる。

ノリとスピード感を併せ持っていながら、結構何段階も展開があって長尺で聞いても楽しめる曲となっています。

夜BGM『Color Your Night』

あと追加された曲として印象的だったのは夜のBGM『Color Your Night』でしょうか。Lotusニキのチルいラップとシンセが夜の寮やポロニアンモールによく合った曲になっています。

2学期BGM『Changing Seasons』

リメイクでも2学期から昼のBGMが『Changing Seasons』に変わります。
原曲ではコーラスとフランス語のパートが印象的な曲ですが、リメイクではフランス語パートが英語パートになって…ますよねこれ? 原曲のフランス語発音が好きだったのでここはちょっと残念です。
ただフランス語パート含め元はサンプリングから拾い上げて作った曲らしく、リメイクするにあたって歌詞そのものから変更されているでその際に英語になったのだと思います。
原曲のトランペットのパートは抑えめになった一方で、ボーカルが新規に追加されてリッチになっています。
『Changing Seasons』はリファインというよりも完全に別アレンジの別曲ができたイメージです。

最終戦『すべての人の魂の戦い』『Burn My Dread -Last Battle-』

『すべての人の魂の戦い』と『Burn My Dread -Last Battle-』は、かなり原曲に忠実にリファインされています。
ここは外すわけにはいかないという思いが感じられます。
『すべての人の魂の戦い』は言わずと知れたベルベットルームの曲『すべての人の魂の歌』のコーラスを取り入れており、ゲームの最初から最後まで聞いていた曲のアレンジとしての一面も持っている、原曲の作曲者をしてずるいと言わせる曲となっています。
リメイクにおいては『Burn My Dread』自体は収録されていませんでしたが、『Burn My Dread -Last Battle-』でようやく「Burn My Dread」のフレーズを聞くことができます。

今作『Burn My Dread』自体が収録されていないのは残念に感じる一方、川村ゆみさん以外の『Burn My Dread』もなかなか考えられないので、良い落としどころだったかと思います。


システム

リメイクにあたって、P3Rはかなりストレスなく遊びやすくなる工夫がされています。
後続作品のシステムも一部導入し、最近のペルソナに慣れた人でもプレイしやすくなっています。

ノイズ要素のオミット

オリジナルのP3はもうレトロゲーに入るレベルの作品なので、システム周りには現代でやるにはノイズになる要素もいくつかありました。

例えば体調システムはプレイヤーの行動制限になっており、言ってみれば面倒な要素だったのでリメイクでは削除されています。

原作の体調要素。風邪にもなる。

代わりにタルタロス探索の翌日に保健室に行くと怪しい薬を飲まされて勇気が上がる小ネタがあります。

また、本作では後述するリンクエピソードやアイギスコミュもあってスケジュールがギリギリになるため、コミュのリバースの条件が緩くなっています。
原作ではコミュを一定期間放置していたりするだけでリバースが発生していましたが、リメイクでは特定の選択肢ミス(実質2か所のみらしい)だけでしかリバースは発生しません

本作のリバース

一方コミュに関してはエピソードすべてがフルボイスとなってます(もちろんY子は基本CVないが)
原作ではCVがついていなかったキャラが多かった一方で、ボイス追加のおかげでよりコミュキャラへの愛着が湧くようになっています
ボイスがあるとやはり没入感が違うのでリメイクの中でもかなり重要なアップデートだと感じますね

リンクエピソードと寮生活

原作では特別課外活動部の男連中とのコミュがありませんでしたが、本作ではそれに代わるリンクエピソードが追加されています。
物語の進行によって内容が変わるため、エピソードの進行には時間制限があるので疑似的なコミュとなっており、完走するとペルソナ合体も解放されます

リンクエピソードは男同士の友情をはぐくむエピソードはもちろん、物語の中で葛藤するキャラクターたちの内面を見ることができる重要な要素となっています。
また、コロマルや望月綾時のリンクエピソードもあります。

P3は相当終盤まで仲間内のギスギス感もある作品ですが、一方でリンクエピソードによって各自の事情や葛藤も補完されており、物語の説得力を補っていると感じます

また、寮生活の一環として、屋上での家庭菜園や、読書、料理、コロマルの散歩などを仲間と一緒に楽しむことができます。
仲間たちの日常的な一面に触れたり、何度か一緒に過ごしていると戦闘面での固有効果の恩恵もあるし、P3Rは結構夜が暇になりがちなので、序盤からのびのび仲間と過ごすのをお勧めします。

コロマルのブラッシングができる…!

とにかく本作では仲間とのやりとりが大幅に増えていて、すべての会話を網羅する勢いで楽しめます。

永劫コミュ

アイギスの永劫コミュはP3F, P3Pから追加された要素でしたが、リメイクである本作でも存在します。

更に本作では明確に恋人にもなれます。
ランクMAXのエピソードがえっちすぎます。
本当にありがとうございます。最高です。

タルタロス

P3はタルタロスという巨大な塔を探索、攻略していくことが主な目標です。
原作同様、日によって自動生成されるダンジョンですが、本作ではさらに遊びの要素が増えました。
具体的には以下の要素が追加されています。

  • 通常のレアシャドウに加え、アイテムを大量に落とす巨大レアシャドウの追加

  • 強力な敵とレアアイテムのあるランダム出現のモナドの扉

  • 連続する強力な敵とレアアイテムのある固定出現のモナド通路

  • アイテムの手に入る破壊オブジェクト

  • 収集アイテムで解錠する宝箱

  • マップ全体が真っ暗なダークゾーン

  • シンボルエンカウント時の急襲アタック

など、単調になりがちだったタルタロス攻略が、中毒性のあるハクスラ的要素によって止め時の分からない良改変がされています。
好きな人はいつまでも籠っていそうな感じ。

キャラモデルの頭身が上がった分、タルタロスの探索も原作の俯瞰風視点ではなく、カメラをぐりぐり動かせるようになっています。
今作でもビキニアーマーがあるので、カメラをぐりぐり動かして眺めることもできるぞ!やったぞ!

戦闘システム

戦闘システムはペルソナシリーズ定番のプレスターンバトルとなっており、
敵の弱点を突けば1Moreで追加行動、
敵全体をダウンさせれば総攻撃、
という基本に加え、
ペルソナ5で導入されたバトンタッチのように、1Moreの行動権を他のメンバーに移譲する「シフト」が追加された。
このシフトが本当に便利で、効率的に敵の弱点を突けるので戦闘のテンポが大幅アップする要素となっている

ところでシフト受け取った時ちょっとゆかりっち揺れるぞ!
ビキニアーマーをつけてると余計に揺れが分かるぞ!やったぞ!

また、本作からはキャラクター固有の必殺技「テウルギア」が新規に追加された。
これはテウルギアゲージを貯めることで発動でき、敵の耐性無視で大ダメージを与えたり、仲間の強化・補助をしたりと各キャラの個性の現れた技となっている。
原作では主人公ができたペルソナの合体技であるミックスレイドや、風花のオラクルはテウルギアとして使用することができる。

タルタロスは何階層かごとに強力なシャドウが立ちはだかるが、テウルギアを放出することでかなり楽に進めることができるようになる。

前述したUIのブラッシュアップも相まって、テンポもいいし爽快感も戦略性もあるペルソナらしいバトルを楽しむことができる。
実際バトル楽しすぎる。

まとめ

長くなったが、P3Rは間違いなく人にお勧めできる面白さを持ったゲームだ。
なにより従来のペルソナ3のファンとして、ペルソナ3のゲームでやりたかったこと、観たかったことを全部享受できたことが本当に嬉しい。
思い出補正も相まってだが、本作のエンディングはペルソナ3関連作品の中で一番泣けた。

そもそもペルソナ3は、ファンにとってはもはや面白いとかどうとかで語れるレベルではない。
リアル思春期の頃にペルソナ3に出会って惹かれて後続のゲームや映画などを追っかけてきた私のような人間にとっては、ペルソナ3に対する思い入れはただ好きなゲームとかそういう範疇には収まらないのだ。
明らかに今の自分の趣味嗜好や、人生観にすら影響を与えたと言っていい作品なのだ。
そんなただのゲームじゃないゲームを、今この現代にもう一度リメイクして世に撃ち出してくれたことに本当に感謝したい。
そしてまたペルソナ3に新しく触れる人が増えてくれることは、自分の青春を共有するということでもあり、それがまた嬉しい。

だからここまで長々とレビューを書いてきたが言いたいことは結局、
ファンにとっても、初見にとっても、
ペルソナ3リロードは、やるべきゲームだ


おまけ(おすすめ配信者紹介)

Vtuberよく見るんで、ペルソナ3リロード配信してるおすすめのVtuber紹介しておきます。
もちろんクリアしてから見るか、並走しながら観ることをお勧めします。

1人目は稀羽すうさん
ペルソナ3既プレイでめっちゃ思い入れある感じなのでリメイクとしてのリアクションが楽しめます。
OPのリアクションだけでP3ファンなのが伝わってきます。

ペルソナ3だけでなく、P5RやP5Sの配信などもしており、そちらもかなり時間をかけて丁寧に楽しんでいたのでおすすめです。


2人目はAirani Iofifteenさん
Hololive IDなので英語とインドネシア語がメインですが、大体言ってることは分かります。
同じくペルソナ3既プレイらしいです。すでにクリアまで配信済みなので、同時視聴的にエンディングを楽しめます。



最後に大神ミオさん
P5プレイ済みだけどP3は初めてらしいので、初見らしいリアクションが楽しめます。
というか個人的に推し


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