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一流のリーダーより、一流の側近は重要かも〜『スティーブ・ジョブズⅡ』ウォルター・アイザックソンから学んだこと〜

アップルが成功したのはスティーブ・ジョブズがいたから。
なんて言われているけど、全然違う印象を持つことになった一冊。
彼の伝記なのに、自分でも意外な感想を持ちました。

ジョブズ本人が何を考え、何をしたかについても詳しく書かれていますが、
周りの人たちが、どのように彼に賛同し、意見したか。あるいは批判したか。
そのようなことについても同じくらい詳細がわかります。

主人公だけじゃなく、味方とか敵も個性的なキャラ。
どちらが正しいともいえない、どちらの立場も一理ある。
そんな葛藤に満ちたストーリーはすごく魅力的です。

ある人物に特化して記述してあるのが伝記なのに、読んでも面白いストーリーになっていたは感動でした。


ということで、
以前読んだ『大人のための読書の全技術』を実践その2です。

せっかく本読んでるんだから、ちゃんと内容を覚えておいて、使えるようになるための「人に本の内容を教える」実践です。


斎藤先生がお勧めしているOUTPUT方法、「引用ベスト3」というやり方でやっています。
気になったところを3つ選んでその理由を一緒にまとめるだけです。

詳しくはこちらに書きました。

さっそくやってみます。


『スティーブ・ジョブズⅡ』引用ベスト3

改めて、読んだのはこの本。

伝記といえば子どもが読む本というイメージがあったが、申し訳なさでいっぱいになりました。

ストーリーとしても非常に面白かったし、学べることも多かったです。
フィクションとノンフィクションの中間のような印象。
小説としても楽しめるし、実用書としても学べるところがある良書。

多すぎて3つに絞るのにかなり苦労しましたが、
印象に残った部分を、引用ベスト3で紹介します。



第3位

「これはすごいものになるぞ。」
とアイブはチームを励ました。しかしすぐジョブズに見せることはしなかった。(中略)皆のやる気をそぐような結果も避けたかったからだ。
「スティーブは一瞬で判断してしまうので、ほかの人がいる前で新しいものは見せないようにしています。『こんなのはガラクタだ』と宣言してアイデアを殺してしまう可能性があるからです。アイデアというのはとても壊れやすく、大事にあたためて上げる必要があります。このアイデアはとても大事で、これをスティーブが切り捨ててしまうのは悲しい事態だと思いました。」

『スティーブ・ジョブズⅡ』P282,283

アイブという人物は、アップルのデザインチームの人です。
リーダーとチームメンバー、会社全体への、配慮レベルがすごいです。

リーダーを支える周りの人が、チーム全体にとっていかに大きな価値を持っているかがわかる部分です。

ジョブズもそのことはよくわかっていたようです。
自分の周りに置く人の採用基準は、「自分に遠慮なく意見することができるか」だったようです。


当たり前のように聞こえますが、なかなかできることではないと思います。
自分に賛成してくれる人を、どうしても評価してしまいますから。

自分を曲げないのに、自分に意見してくれる人を求めている。
矛盾しているように感じることが多々ありました。
この謎もまた面白かったです。


誰と組むか、誰と仲良くするか。
一緒にすごすなら、どんな人が自分にとってプラスになるのか。
付き合う人は好き嫌いだけでなく、「その人から何を学べるか」を基準に考えようと思わされました。




第2位

ジョブズの得意技に集中がある。
「なにをしないのか決めるのは、なにをするのか決めるのと同じくらい重要だ。会社についてもそうだし、製品についてもそうだ。」

『スティーブ・ジョブズⅡ』p86

引き算による足し算のお手本のような一言です。

読書の方法で同じ考え方がありました。

何を読めばいいかを考えるときに、何を読まないかを考える方法です。
考え方の根本は同じです。

読書を続けていると、こうやって知識と知識がつながる瞬間に出会うことがあります。

この瞬間が個人的にはとても好きです。


自分の場合は投資や生き方に応用できると思っています。

投資判断で言えば、「いつ買うか(売るか)」を探すのではなく、
「今はまだ買わない(売らない)」と判断できるようになることをめざす。
結果的に、いいタイミングだけが残ります。

生き方で言えば、「何をすべきか」を探すのではなく、
「今やってることでやらなくても問題にならないことってなんだろう?」と考えてみる。
今まで常識で当たり前だと思っていたことが、全然そんなことなかったと気付かされます。

自分の場合は挫折経験から、運良く当たり前を疑う考え方に辿り着きましたが、苦しい思いをしなくても誰でもできることだと思います。



第1位

ジョブズの代役は難しい。輝けばアウト、輝かなくてもアウトなのだ。この難しい代役を上手にこなせるのがクックである。落ち着いて的確な指示を出すが、注目や賞賛を求めない。
「全部スティーブの手柄にされてしまうと文句を言う人もいますが、私はまったく気になりません。正直な話、自分の名前は新聞に出てほしくないのです。」

『スティーブ・ジョブズⅡ』p267

クックという人物は、ジョブズが病気休養中に代役を務めた、ナンバー2ともいうべき人という印象です。

「こんな人に、私はなりたい」
そう思わせてくれる部分です。

日本人が得意とする役回りって、こういう形なんじゃないかと感じました。

実在する「影の実力者」って感じで、かっこいい仕事してるなと思います。

一流の会社やチームには、こういう人たちがきっとたくさんいるんだろうなあと想像しました。
外からキラキラ輝いて見える部分は、真実のほんの一部に過ぎない。その輝かしい成果の裏で、誰が何をしているのか。
そんなことに興味を持つようになりました。



伝記って学びが多いかも!?

スティーブ・ジョブズの本を読んでいるのに、彼の周りの人たちに感動と学びを覚えるという、なんとも不思議な体験でした。

ジョブズだけだと今のアップルはなかったことが明確に読み取れました。
ジョブズと、彼を支える側近たちが揃ってこその成功。
家族の支援に回ることにした自分の生き方にも、大いに参考になりました。


伝記は子どもの時以外、ほとんど読んだことがありませんでしたが、他にももっと読んでみたいなと思うようになりました。

おすすめの人物がいましたら、ぜひ教えてください。

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