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83.8:31 人生の楽しみ方を学んだメキシコ展

今日は亡くなった祖母の誕生日。
息子である父親は忘れていたようだ。
月命日には欠かさず墓参りをしているのに、なぜだろう。
死んだ日より生まれた日の方が大切だと思う。
生まれたことを大切にしたい。
そんなことを考えた。


先日は久しぶりに美術館に行った。
見たのは、『特別展「古代メキシコ」-マヤ、アステカ、テオティワカン』於:国立国際美術館という美術展である。

隣の大阪中之島美術館ではモネ展が開催中なので、こちらの美術展は混んでいないだろうと予想していったのだが、なかなかの混み具合であった。
展示が進むにつれて混雑は解消されたので、あまりストレスにはならなかった。

事前にNHKの特集番組を見ていたので、面白い展示会だろうと思っていたが、期待以上であった。
目玉である通称「赤の女王」の墓の出土品は、かなり見ごたえがあった。

有力者は、地域や時代に関係なく副葬品などが豪華なので、こうやって残っているわけだが、それを鑑賞しながらも名もなき人々にも思いを馳せる自分がいた。
丁度今日は祖母の命日である。
その祖母は火葬されて骨と灰だけになっているが、勿論副葬品などというものは骨壺に入れていない。
だからと言って、祖母を心を込めて見送ったことに違いは無い。
そうやって、名もない古代の人々も、その人を大切に思う人々に手厚く葬られていたのだろうと思う。
「赤の女王」と同じように。
そんなことを考えた。

展示を丁度同じタイミングで観ている一人の高齢男性がいた。
その方は、今回の美術展が甚く気に入ったようであった。
携帯電話で熱心に展示品を撮影し、最後にはショップで図録も買い求め、その際スタッフの方と熱心に何かを話していた。
一人で来場していたようだったので、きっと感じた気持ちを直ぐに誰かに聞いてほしかったのだろう。
その様子がとても素敵だった。

自分の興味に素直になり、行動し、発信する。
その様子が、素敵だと感じた。
これこそ、人生の楽しみ方だと思った。
目指すべきロールモデルに会ったようで、嬉しかった。
平均寿命を考えれば、私のこの先の人生はまだまだ長いのだが、その人生において、楽しむことを忘れないようにしたい。
そう思わせてくれた、あの日のあなた。
ありがとうございました。

と、今回も美術展を見ながらも、来場者を観察するという、私なりの楽しみ方をしていたのである。
これまでの美術展についての記事もあるので、ぜひ読んでいただきたい。

実は、既にいくつかの美術展のチケットを買っている。
積読ならぬ、積チケをしているのだ。
今年は面白い美術展が多く、嬉しいな。
次回の美術展までの期間は、購入した『学芸員しか知らない美術館が楽しくなる話』を読みます。

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