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聖地巡礼とセーラームーンとそれから

初めての〇〇について、というカテゴリは私はほぼ思い出せない。

例1 初めて読んだ本→絵本かな?え、小説で…?
例2 初めて買ったCD→いやほんとに思い出せない。例3 初めてのおつかい→あったかも分からない

てな感じの私が初めてみた映画は自信を持って答えられる。

「劇場版 美少女戦士セーラームーンR」である。

ビデオが擦り切れるほど見た。映画館で見たかどうかは…多分連れていってもらったのだろう。
あらすじは下段に東映公式サイトより抜粋しました。

https://lineup.toei-anim.co.jp/ja/movie/movie_salor_r/story/


すごくよかった。
今でも好き。
最小限のキャラで、人物造形がしっかり掘り下げてあって。
全体的にお祭り感というよりはシリアスに話は進んで、ラストは切なく美しい。
この映画は、「愛」という言葉を用いず愛を描く、がテーマらしい。
恋人との関係だけではなく、
家族とか友人とか色々な人との関係性を主人公を軸にして丁寧に描写している。

その映画を見て、しばらく経ったあと、
おばあちゃんが突然「セーラームーンの場所に連れてってあげる」と言い出した。
いくらなんでも創作物と現実の区別はついていたので、「うそだー」とかなんとか言っていたのだが、本当に映画で見た光景が目の前に現れた。

そこは一橋公園。
セーラームーンが恋人を守れなかった後悔を吐き出し、泣いて、それでも逃げることだけはしなくて、敵のアジトへワープする時にいた場所だった。
Wikipediaの画像の左奥のトンネルがそう。

当時「聖地巡礼」なる単語があったかは不明だが、
私はもちろん概念すら知らなかった。

アニメでみた場所が実際にあった、ということだけが幼児の私を愕然とさせた。
もしかしたらセーラームーンもいるのかもしれない…とはならなかったが。

種明かしをすれば、おばあちゃんは港区三田に生まれていて、
セーラームーンの舞台である麻布十番は生まれ育ったホームタウンだった。

私がテレビでセーラームーンを楽しんでいた時、
おばあちゃんは自分の知っている地名がいっぱい出てきて、
また違った楽しみ方をしてたのかな、と思う。

思い出すたびに胸の奥がじんわりと温かくなる。
私の「すき」を大切にしてくれた、そんな記憶だから。
これもまた「愛」だったのだと感じるられるから。

#映画にまつわる思い出

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