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「わかりあえない」を越える を読んでの学び

3月になり急に気候が春らしくなってきましたね。
1ヶ月で4冊読書記録を残す宣言をしており、こちらの記事は2月の4冊目として書いていたものだったのですが、納得感が得られる状態にできず、書き直しをしております。人に伝えるための言語化って難しいものだなとつくづく感じます。

目標に対しての振り返りやどう軌道修正していくかということは別途書きたいなと思っているのですが、個人的には毎週投稿が継続できているので、それだけでも習慣づけができてよかったなと思っています。
(今日の投稿で10週連続投稿になります)
また、定量的な目標だけに拘るのではなく「何のためにやるのか」を事前に決めておくのは改めて大事なことだと実感しました。

本日は弊社の代表から推薦してもらった本 『「わかりあえない」を越える-目の前のつながりから、共に未来をつくるコミュニケーション・NVC 』を読んでの学びを残していきます。

自分と相手の「奥にある大切なもの」に目を向けることで新たな選択肢を見出せる「NVC」というコミュニケーション方法について書かれています。

読んでみての感想は、簡単に見えて、難しい。
「観察」「感情」「ニーズ」「リクエスト」の4つの要素に意識を向ける構造としてはシンプルなものなのですが、一つ一つの要素がとても深く、意識をしながら実践を重ねていくことが大事なのだと感じました。

なので何度も読み返しながらもっと理解を深めていきたいと思っていますが、自分の振り返りも兼ねていくつか印象に残ったことをまとめていきたいと思います。

感情とニーズ

ある瞬間に自分の内面で何が息づいているかをはっきり言葉にするためには、自分の「感情」と「ニーズ」を明確にする必要があります。

「感情」とはその時に自分が率直に感じた感情のこと。
嬉しい、感動する、悲しい、イライラするなど。

ただ、私たちのこれまでの教育では、自分が権力者にどう思われているかを気にするように訓練されてきたため、無意識に内面よりも外界に意識を向けやすくなっています。
そのため、他者のことを「こうだと思う」という思考になりやすいのです。

例えば、自分が寝ようと思った時にルームメイトがラジオを聴き出したら、どのような感情を抱きますか。

相手に自分の感情を伝える時、「その行動は間違っていると思う」という言葉が出てくるのであれば、それは自分の感情ではありません。
「むかつく」とか「いらいらする」といった感情を抱えているはず。

こういった私たちの感情の原因は他者の行動にあるのではなく、私たち自身のニーズにあるのです。
そのため、人に伝える際は思考ではなく、どのように感じているかを伝える必要があります。

「ニーズ」とは、「理解」「サポート」「共感」など、自分が必要としているものや価値のことを指します。
「むかつく」とか「いらいらする」といった感情になってしまうのは、この「ニーズ」が満たされていないから。

自分のどんなニーズがその感情を生じさせているのか、下記に当てはめて整理することができます。

「わたしが今のように感じているのは、〇〇を必要としている/大切にしているから」

相手に伝わるリクエストの仕方

自分が何を感じ、どんなニーズが満たされていないかが理解できたら、相手に何をして欲しいのかをリクエストします。

大事なことは「行動を促す肯定的な言葉」でリクエストすることと、「具体的な行動を促す言葉」で伝えること。

また、リクエストをする際に「強要されている」と思われないような伝え方も大事です。
人は押し付けられていると感じていること、強要されていることはつい忘れがちです。
望ましいのは、相手が自身の神聖なエネルギーと繋がっている状態であること。

本書では「パワー・オーバー」と「パワー・ウィズ」というコンセプトが紹介されています。

パワー・オーバーとは、相手を服従させて何かをさせること。
そのために懲罰や報酬を用います。つまり「上から(オーバー)」の力を加えるわけです。
パワー・オーバーは代償をともなうため、力としてはきわめて脆弱なものです。ある研究によれば、会社であれ、家庭であれ、学校であれ、この支配的な戦術を使う組織は、意欲の低下、暴力、システムに対する見えない反発といった形で間接的に代償を払っています。

一方、パワー・ウィズは、相手に進んで行動を起こしてもらうことです。
なぜ進んで行動したいかというと、それをすることが全員の人生を豊かにすることだと相手にはわかっているからです。それがNVCです。
パワーウィズを実現するための最も効果的な方法は、自分自身のニーズと同じくらい、相手のニーズにも関心を持っていると示すことです。

相手が喜んでリクエストに応じてくれやすくするには、パワー・ウィズの関係を確立することが重要です。
こちらから相手のどこが間違っていると指摘するよりも、正直に伝えることや相手とともに力を持つ方が、相手もこちらの幸福に対してはるかに関心を寄せるのです。

自分の行動から学びを得る

NVCがもたらす変化のひとつについて、「自分の行動から学びを得る」ことがあります。
自分がやってしまった失敗や後悔している行動について、「自分のとった行動によってどんなニーズが満たされなかったのか」ということに意識を向けると、自尊心を失わずに自分の至らなさから学べるようになります。

満たされなかったニーズがある場合でも、何かのニーズを満たすための行動をしていたはずです。
両方のニーズを満たすために、どのように行動していたらよかったのか?と自分に問いかけてみると将来同じような状況に置かれた際にどう対処できるかを考えられるようになります。

褒め言葉や称賛ではなく行動に対しての感謝を伝えることが大切

NVCでは褒め言葉や称賛を避けるように提案しています。
肯定的な内容だったとしても「あなたはこういう人間だ」という情報からは価値のある学びは得られないからです。

それよりも「相手の行動によって、どれほど自分の人生が豊かになったか」を明確に表現すること。感謝の意図が重要だといいます。
そのためにはこれらの3つのことを伝える必要があります。

(1)祝福したい相手の行動は何か、その人のどんな行動が自分の人生を豊かにしてくれたかを明らかにする。
(2)相手の行動についてどう感じているか、相手の行動によって自分にどんな感情が息づいているかを伝える。
(3)相手の行動によって、どんなニーズが満たされたかを伝える。

賞賛や褒めることではこの3点が明確になりません。
「あなたはこういう人間だ」という評価を聞かされるよりも、具体的な行動に対してのフィードバックを知れた方が得られるものが大きく、満足が大きいのです。

とはいえ褒め言葉や称賛はやっぱり嬉しいし、モチベーションにも繋がるのは個人としての率直な意見です。
ただ、あくまで一時的なコントロールの手段に過ぎないため、本質的な行動を変えるには行動に対しての感謝を伝えることが重要であると、フィードバックする側としても受ける側としても理解しておく必要があると感じました。

フィードバックは贈り物

これまで述べてきた「感情」「ニーズ」「リクエスト」を表現する際に大切なのは、3つの要素を「贈り物」として差し出すこと。

なぜ「贈り物」と表現するかというと、どんな行動が人生をより豊かにするかを相手が理解できれば、相手はこちらの幸福に自らの意志で貢献するチャンスを得られるからです。

こちらも社内で共有してもらったTweetなのですが、これらのことがまさに言語化されている素敵な内容なのでこちらに残しておきます。
(前後のツリーも是非読んでほしいです)

「フィードバックは贈り物」この言葉を心に刻んで自分の人生をより良いものに繋げていきます。

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