チーム開発難しい

チームでデザインをしていて思ったこと2

前回の記事で書いた下の気づいたことをもうちょっと詳細に書いてみたいなと思ったので、続きを書いていこうと思います。
どうもウチダです。

前回の記事では以下のようなことに注意したほうが、デザインの判断基準を個人の「好き嫌い」に落とさなくても良いのではないだろうかと考えました。

1. お互いの目的を共有・調整する
2. こちらの意見を伝えるプレゼンより、相手の意見を引き出すプレゼンを意識する
3. 「好き嫌い」ではなく成果に結びつく「必然性」を判断の基準にする
4. 「必然性」を見出すことに時間を使う。(制作時間も大事だけど…)
5. 見出した「必然性」を曲げない

一つ一つ書いてみようと思います。

1. お互いの目的を共有・調整する

デザイナー同士でも、わりと見てきたものや好みでかなり考えていることが違っていたりします。
当然ながらプロジェクトにおいても、どのような価値観を大切にして製品やロゴを作るべきかはメンバーごとにかなりズレてきます。

ここがズレっぱなしだと、お互いに個々人の考えを主張し合ったり、どちらかが中途半端な形で折れたりと生産的ではありません。
ディレクターやリーダー・マネージャーと呼ばれる方々はここがズレないように、妥当な目的を設計し、共有・調整することが肝心です。

目的設計時の判断は、世の中に転がっているデータなどファクトをベースにしつつ、そこから予想される未来において、当該デザイン物がどのような立ち位置であるべきかで行うと良いと思います。
僕はよく、省庁などが出している人口データや、各種論文、民間企業の研究を参考にしています(電◯・博◯堂の消費者研究やマ◯ダの感性研究はプロダクトでは便利ですよ。)


僕の勤めている会社では上記の「中心となる目的」の洗い出しや、共有に手間取りました。
結果、目的不在のまま並行して手を動かすことになり、各デザイナーの担当セクションごとにチグハグなアウトプットが仕上がってしまいました。
初期段階だったので軌道修正はかけたものの、はじめの土台を狂わせてしまったため、修正もいまいちな感じになってしまいました。

今更ながら反省ですが、会社が社会に対して大切にしてきたことや、商品を通して発信してきたメッセージを目的にすればもう少しマシだったと思います。


2. こちらの意見を伝えるプレゼンより、相手の意見を引き出すプレゼンを意識する

僕自身プレゼンはできる限りきちんとしたものを作ろうと思っているのですが、内輪での開発段階ではむしろプレゼンは少しいい加減なくらいのほうが良いと気づきました。

こういうことを言うとアレですが、何かしらの会議で講評を行う場合、初めての講評では、よほど時間的に切羽詰まってない限りほぼ確実にやり直しになります。
プレゼンをされる側からすると初めての情報が多い中、なんの疑問も矛盾点も上がらずに話が終わることのほうが珍しいからです。
経験上、ほぼ必ず講評一回目はお互いの意見のすり合わせが行われます。そのたたき台としてプレゼンがあるといった感じです。
議論のたたき台として使用されるプレゼンですので、スキがないほど緻密かつ高密度で仕事をすると、意見を出しづらかったりかえってパフォーマンスを下げることに繋がります。

かつてジェームズ・ダイソンは掃除機のプロトタイプにダンボールを市販の掃除機にくっつけたへっぽこモックアップを作りました。
そして、それを人に見せて意見を募りました。
開発初期段階では、いい加減なくらいの余白のある模型のほうが完成度の高い模型よりもアイデアや意見を拾いやすく、またお互いの意思疎通の入り口になりやすいということのようです。

なので思い切って、はじめのプレゼンはへっぽこ作品や、拾った画像の切り貼りなどで、イメージを共有しつつ、何よりクライアントが何を求めているかを洗い出すことに終止したほうが良いと思います。


■中まとめ

ちょっとまとめます。
デザインをやってる時に絶対ヤバイことは判断の基準が個人の「好き嫌い」に落ち込むこと(厳密には好き嫌い「のみ」に落ち込むことです。)です。
なので、それを回避するため

1. 判断基準となるファクトと、そこから洗い出される目的の共有
2. クライアントやチームメンバーの意見を拾えるプレゼンを意識する

ということが重要だと気づきました。
1人でデザインをするときも、上記を意識していると迷った時に便利なので、もう皆さんやっている方も多いとは思いますが、ぜひ頭の片隅においていただけると嬉しいです。


ちょっと長くなりそうなので、一度ここで切り上げます。
次回記事で、3~5までの内容をお話したいと思います。
よろしくおねがいします。

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