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美学・美術史専攻出身の総合広告代理店2年目/好きのアウトプット量を増やす修行の一環とし…

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美学・美術史専攻出身の総合広告代理店2年目/好きのアウトプット量を増やす修行の一環としてnoteをはじめました。/演劇・展覧会・本・映画など/上田久美子女史を溺愛しており、宝塚ネタ多め

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  • 真面目な文章(論文・レポート・考察など)

    このぐらいの文章なら、大学のレポートに出しても許されるかな?レベルのコラム・実際に大学時代に提出したレポート・コンペに応募した論文etc.

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    K.が観たミュージカル・お芝居・ショーなどのライブパフォーマンスの記録。

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    全組観劇派。ご贔屓は演出家の上田久美子女史です!!個々のジェンヌさんより全体のシナリオや演出について書いています。

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私がnoteをはじめた理由

「何者かになりたい」という漠然とした願望を、自分の内に明確に認識したきっかけは、広告代理店に入社したことだった。 *** 昨年4月に総合広告代理店に入社した。 詳細な志望動機は省くとして、幼少期から何か楽しいできごとに出会う度、それを消費する側の人間ではなく作り出したり仕掛けたりする側の人間になりたいと思っていたことが所謂マスコミ業を志した表向きの理由なんだと思う。 だが、私は面接では語らなかったもう一つの理由の方をより渇望していた。 変な私を受け入れてく

    • 『FLYING SAPA』 演出家ウエクミの脳内を廻りたい・・・!

      ⓪はじめにご無沙汰しております。 遅筆×激務で投稿が滞りがちな私も、時間さえあればコンスタントに投稿できるものだと思っていたのだが、コロナによって普段よりお暇ができるとかえって何だか書く気が起こらず…気づけば最後の投稿から3ヶ月近く経ってしまった。 皆さま、お変わりないでしょうか? この3ヶ月の間、せっせと作品のインプットの方に精を出して来たわけだが、遂にこれは何としても記事を1本したためなければならない!という名作に出逢った。 私の尊敬して止まない宝塚歌劇団座付き演出

      • 劇団ノーミーツに見るリモート演劇の可能性

        役者がいて、スタッフがいて、観客がいて、その全員がひとつの時間、ひとつの空間を共有して初めて成立するエンタメ…演劇。 「三密回避!ソーシャルディスタンス!」が唱えられるコロナ禍において、最も成立困難な娯楽と言って過言でないだろう。 そんな中、緊急事態宣言発令からたった2日で発足し、コロナ禍においても演劇興行が成立することを証明した、withコロナ時代のパイオニア的劇団がいる。 その名も、「劇団ノーミーツ」 「No Meet」と「No 密」を掛けたと思しき、ネーミングか

        • 最近知り合った男性に、 「私は『ノルウェイの森』の緑のぶっ飛んだところと保守的なところの振れ幅を7割くらいにした人間」って自己紹介したんだけど、これはなかなか言い得て妙なので気に入ってる。 ピース✌︎

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        私がnoteをはじめた理由

        • 『FLYING SAPA』 演出家ウエクミの脳内を廻りたい・・・!

        • 劇団ノーミーツに見るリモート演劇の可能性

        • 最近知り合った男性に、 「私は『ノルウェイの森』の緑のぶっ飛んだところと保守的なところの振れ幅を7割くらいにした人間」って自己紹介したんだけど、これはなかなか言い得て妙なので気に入ってる。 ピース✌︎

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          【月雲の皇子④】言葉で語らない、引き算の美学/言葉の外側の世界とつながる(演出)

          美しいもの、世界の不思議、深い悲しみ、誰かを愛しいと感じる想い・・・ そんなものに出会う度に、私は言葉の不完全さを認めずにはいられない。 言葉は人間が生み出した有限のツールであり、この世には言葉では言い表せないものの方が遥かに多い。言葉の外側に遥かな世界が広がっていると言ってもいい。 そんな遥かな世界と繋がるために、直接的な言葉の使用を封印した作品があらゆる芸術の世界に存在する。その中でも、ことに大衆演劇の世界についていえば、この作品ほど「言葉」というものを丁寧に繊細に扱っ

          【月雲の皇子④】言葉で語らない、引き算の美学/言葉の外側の世界とつながる(演出)

          【月雲の皇子③】「物語の中で『物語とは何たるか』を物語る」という試み(裏テーマ)

          『月雲の皇子』連載第3回。 *第1回、第2回はこちら。 本作を担当し、私が心酔している演出家、上田久美子女史。 上田先生の作品はどれも名作揃いで甲乙つけがたいのだが、私は「1番好きな物語を語ります」と銘打ってこの連載を開始した。 正直、小劇場なのでセットには限界があるし、キャストの歌唱力にも不足を感じるので、完成度の高いうえくみ作品として人に勧めることはまずない。 それでもこの作品を最も好きな物語として掲げるのは、ひとえにこの裏テーマの秀逸さゆえだ。 第1回でも述べ

          【月雲の皇子③】「物語の中で『物語とは何たるか』を物語る」という試み(裏テーマ)

          【月雲の皇子②】宝塚史上最もボロボロになる主役/少女漫画と少年漫画の塩梅(表テーマ)

          私が最も好きな物語「月雲の皇子」連載第2回。 第1回で「月雲の皇子」には衣通姫伝説を下敷きにした三兄弟の悲劇という表のテーマと、物語の中で「物語とは何たるか」を物語るという裏テーマがあると述べた。 今回はその表テーマについて。 衣通姫伝説の概要については第1回で述べたので、今回はこの物語の登場人物に即して説明したい。 主人公は大和朝廷の第一皇子である木梨軽皇子(キナシカルノミコ・珠城りょう)。 伝説上ではこの木梨軽皇子が妹である皇女、衣通姫(ソトオリヒメ・咲妃みゆ)と

          【月雲の皇子②】宝塚史上最もボロボロになる主役/少女漫画と少年漫画の塩梅(表テーマ)

          『エモい』論 ~文学性は現代人を動かせるのか~

          *これはJAAA(日本広告業協会)の第49回懸賞論文・新人の部 に応募した論文です。 0.現代人も古代人も共感する「エモい」という感情 ここ数年、若い世代で「エモい」という言葉が流行っている。「エモい」は若者の SNS 文化を通じて波及したジャンキーなイメージの強い言葉だ。しかし、私はこの「エモい」という言葉は文学性を内包する美しい日本語であると感じる。 「エモい」は三省堂 辞書を編む人が選ぶ「今年の新語 2016」で 2 位に選ばれて以降、 確固たる社会的地位を築き上げた

          『エモい』論 ~文学性は現代人を動かせるのか~

          【月雲の皇子①】私の1番好きな物語を語ります。

          青天に花吹雪が舞う。 この週末はまさにお花見日和だ。 にも関わらず、今年は桜の木の下にシートを広げられないのが残念でならない。 こんなご時世なので、SNSではどうやら桜の写真を見ながら自宅で飲み食いする「エア花見」というものがにわかに流行っているらしい。 でも、それってすごく味気ないのでは? どうせデバイス上で花見をするなら、“桜”をテーマにした映画や演劇のDVDでも観ながら酒を飲んだ方が遥かに趣深い。 桜の季節がきたら書こうとずっと心に決めてきた作品がある。 私がこれま

          【月雲の皇子①】私の1番好きな物語を語ります。

          この業界の片隅で

          アカデミズムの世界のビジネス寄りは、ビジネス界の圧倒的アカデミズム寄りだ。 そんなことを最近つくづく感じる 去年まで超厭世的なド文系大学生をしていて、今年広告代理店で社会人1年目をしている。 大学時代の恩師には院進を期待されていたけれど、大学院の諸先輩方ほど勉強が好きじゃないのは明らかで、自分は全く持ってアカデミズムの人間ではなく、明らかに市場よりの世俗的な人間なんだと思って、学部卒で社会に出た。 希望していたマスコミ系で働けることになって、自分は浪人も留年も院進もせず、

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          【アニメ映画】メトロポリスをみて、シナリオもダイエットとメリハリが大切だと思った

          この週末、世間の外出自粛ムードに月に一度襲ってくる超絶倦怠感が重なり、8割方をベッドの上で過ごした。 溜まっていた代休をくっつけて3連休。 ひたすらネットサーフィンをして、古い映画を見て、本を読んで、宝塚の録画を見て、その合間合間で寝たりご飯を食べたりを繰り返し、お金をほとんど使うことなく持てる時間の全てを消費活動につぎ込んだ。 アウトプットが多すぎると息切れするけど、インプットが多すぎると喉の浅いところが粘っこくなる気がするのは私だけ? どうしてインプットとアウトプット

          【アニメ映画】メトロポリスをみて、シナリオもダイエットとメリハリが大切だと思った

          会社の同期が好きだけど苦手だ

          自分のつまらなさを開き直って、愛してあげられる日はいつになったらくるのだろうか。 30を過ぎたら、40を過ぎたら、50を過ぎたら… どこまでも面白くない自分なりに開き直って図太く生きていけるようになるのだろうか? 今日、ほぼ1年ぶりに同期で集まって飲んだ。 辛かった。二言三言しか話せなかった。 自分なんてこの場にいてもいなくても一緒なんじゃないかと、そう思った。 1年前の春、新入社員研修の時もずっとそう思っていた。 昼間のワーク中は比較的会話も弾んだ。 たぶん同期の

          会社の同期が好きだけど苦手だ

          【出島小宇宙戦争】 実力派 鳳月杏のセンタースポットに思う。

          名脇役って一番凄い。 主役ひとりのスター性で持っている作品より、わき役の個性が引き立つ作品のほうがはるかに締まるものだ。 それを言うと、鳳月杏ほど今の宝塚の舞台を締める名脇役はいないのではないかと思う。 鳳月杏は“THE トップスター”と言うには正直華に欠け、癖が強すぎるのだが、どの組に行っても唯一無二の存在感で作品を支えている。いぶし銀のような理性的な冷たさと渋み、そして内に秘めたる情熱が共存しており、その情熱が鋭い眼差しからほとばしる色気となる。そんな彼女の唯一無二の魅

          【出島小宇宙戦争】 実力派 鳳月杏のセンタースポットに思う。

          【雑記】市場と芸術と茶飲み友達

          先日、20年来の親友と東京都美のハマスホイ展に行った。 https://note.com/e_becky091222/n/n0428689620dd 親友とは2歳の時に知り合って以来の仲だ。 ただ家が近いという理由だけで仲良くなった。 幼稚園は違ったし、中学以降も離れ離れになったし、よく考えればクラスが一緒だったのは小1だけだった。 中高大と音楽一筋で生きた彼女と、中高大と体育会系だった私。 東京の音大に進学した彼女と、関西の総合大学に進学した私。 好きな音楽や舞台の仕

          【雑記】市場と芸術と茶飲み友達

          星組公演『眩耀の谷』で浴びる謝珠栄ワールド!

          面白いアイデアや素晴らしい作品を見つけると、私は図々しくも 自分にもこれが閃いた可能性があったか? これは私の今後の創作活動に転用可能か? ということを考える。 そして、昨日見た宝塚歌劇団星組公演『眩耀の谷』に関して言えば、私がどれだけ文献を引っ張り時代考証したとしても、どれだけ時間をかけて頭を捻ったとしても、絶対真似できないなと思う作品だった。 『眩耀の谷』は星組新トップスター礼真琴のお披露目公演として、宝塚ファン界隈で注目されている作品だが、演出家オタクの私は「激推し

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          毎日noteの自転車操業

          ここ1週間、毎日noteを更新してみた。 自分のnoteのコンテンツがリッチになっていくのはすごく嬉しいし、 週末だけ投稿していた頃より読んでくださる方がずっと多くなり、 初めてコメントをいただいたり、 初めてひと様のマガジンに掲載していただいたり、 毎日コツコツ続けるとnoteの世界は一気に広がるんだな…ということを実感した1週間だった。 だけど、 このまま続けていけるかな?という結構大きな不安がある。 まず、私は遅読×遅筆の、超のろまライタータイプ。 これまでの記

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