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ブランドでかたまる

先日から、今年は富士登山しようと道具を 1 から揃えている。


私はよく旅行に行く。旅行の中でハイキングをすることもある。
しかしながら 「本気の登山」 をしようと思ったことはなかった。
おそらく第一に疲れるから、次に不便そうだから、そして最後に 「登山ウェアを着たくない」 からだったのではないか。

登山用品は便宜上、必然的にビビッドなカラーやポリエステル製のものがほとんどになる。
遭難時に見つけやすいために派手な色になっていたり、体を濡らすと低体温症のおそれがあるので、汗を吸わずに逃がすポリエステル製であったりとか。

そしてこれらの機能性の高い衣類は基本、有名なアウトドア ブランドから販売されていて、まぁどの商品も 「必ず」 と言っていいほど目立つところに各ブランドのロゴ マークが入っている。



↑ これはかなり分りにくいけれど、それでも膝のところに入っている。はいてみたら形がとてもキレイなので購入した。





とまぁこんな感じで本当に 「必ず」 と言っていいほど入っているのだ。
登山ルックの人はなぜあんなにもブランドで固めているのか不思議に思っていた。

自分が 1 から揃えてみて判明したけれど、「どうしようもなくブランドで固まってしまう」 のである。


とにかく登山用品は機能性が重視される。
たとえば ↓ のように一見どこのブランドかパッと見分らないようなレイン ウェアももちろん販売している。


しかし、富士登山へのレインウェアのスペックは、耐水圧 20,000 以上 & 透湿性 10,000 以上 (単位は相変らず覚えていないが、嵐でも雨が染み出さず、汗を逃がすスペック) が推奨と言われている。

↑ のものは耐水圧が 10,000 なので、低山には OK かもしれないが富士登山では万全の装備とは言えないかもしれない。

そうするとゴアテックスなどの 「防水性 & 透湿性」 を兼ね備えた素材を使わざるを得ない。
そうすると当然機能性が高くない商品よりは、原価が高価になってくる。機能を落とさず可能な限り安く売るには、大量生産がいちばんだ。
大量生産するリスクを取れる企業や、コストを払える企業は必然的に有名なアウトドア ブランドになってくる。
そしてアウトドア ブランドはなぜか各商品にてロゴを前面に押し出す……。


ユニクロみたいに高機能な商品でもロゴが前面に押し出されていない商品が主流であればまったく問題ないのだが、まさか (そういう人もいるかもしれないけれど) すべての商品を同一のブランドで揃えられるわけもない。

すでに私の登山ウェアはカリマー、ノースフェイス、マーモット、モンベルが混在することになり、すべての商品にいちいちロゴが書いてある……。
書いていないのはインナーに着ようと思っているユニクロ & 無印のシャツ & パーカーだけだ。

ゴアテックスならゴアテックスのロゴまでご丁寧に入っているし、多少 「みなまで言うな」 的なことも思わないじゃない。
けれど、こうやって図らずも 「ブランドで固まった登山ルック」 はできあがるのだなぁ、と当事者になって初めて分った。


登山パンツは特にだけれど、めちゃくちゃ伸びるしコンパクトになるしめっちゃ軽い。結構普段使いにできそうなデザインが多いので、旅行にも便利だし (撥水性があるので汚れにも強い) 何枚か購入した。
選べばロゴの主張が目立たないものが結構ある。


↑ これなんかかなり綺麗で、オフィス カジュアル程度のドレス コードなら全然着て行けそうだ。



話がだいぶ変るけれど、過去にレイン ハットを購入する必要があったとき、どうしてもアウトドア ブランドのものを買う気がしなかった。今ではなぜそんなに嫌だったのか分らないけれど、6,000 円程度の出費をレイン ハットにかけるのが嫌だったようなのだ。

結果として、「ゴアテックス」 と謳っているレイン ハットを中国から 2,500 円程度で購入した。
そのときの私は無知だったので、ハットに書かれている 'OR' って何だろ? ない方がいいのになぁと思いながらもまぁゴアテックスなんだし、とよく調べずに注文してしまったのだ。


届いてからタグを見てみると、日本語の品質表示が付いていた。
パートナーがそれの 「販売元」 を見て、それは日本にあるセレクト ショップの名前だと教えてくれた。

え? セレクト ショップがアウトドア製品を作っているのか?
と思って調べてみたら、'OR' は 「アウトドア リサーチ」 という、これまたアウトドア ブランドのロゴだったのだ。


そして本家アウトドア リサーチの公式サイトを見て分ったことがある。
レイン ハットにおけるこの 'OR' のロゴは 「すべて刺繍されている」 ということを (明言されていたわけではないが、見た限りはそうだった)。

私の持っているものはただのプリントである。なんなら 「ゴアテックス」 のロゴも本物は刺繍になっている。

知らなかったとは言えど、おそらくコピー品を買ってしまったのだろう。
こうなってくると本当にゴアテックスかどうかも怪しい。

というか、かぶった時点でなんか小さめというか 「フリー」 を謳えないんじゃないかというサイズ感だった。ちなみにパートナーは入らなかった。ユニ セックス商品なのに。
きちんとしたアウトドア ブランドが販売しているならありえない話である。


実際、(まだコピー品と知らないときに) 雨の日に使う機会があったので使ったところ、特に漏れてくるようなことはなかった。
ゴアテックスじゃなくても濡れないなら構わないけれど、もう 99.9% コピー品と分ったので外で使う気にもなれない。しかし家の中では使う機会もない。

そもそも、折りたたんでしまっていたら折り目がついてしまって戻らないので、ちゃんとした (本) ものを新調する予定だ。

まさに 「安物買いの銭失い」 になってしまった。


パートナーは富士登山のレイン ウェアを、古着屋から 70,000 円くらいで購入したものにするようだ。
そしてたまたまそのレイン ウェアにすら 「コピー品が出回っている。そのコピー品との見分け方」 という動画を見つけた。

検証したところ、彼の所持品はおそらく本物であろうということになった。メル〇リで現在販売されているものもおそらく、すべて本物でありそうだった。

7 万も払ってコピー品ということがあるのか! と衝撃的だった。
まぁそんなこと言ったらハイ ブランドのバッグなんかは比較にならないくらい出回っているし、額もひと桁ふた桁違うか……。

↑ のジャケットは状態が良かったら 18 万程度の価値があるらしく、海外でも人気の商品らしい。
かなり複雑な造りのジャケットだったが、それでもコピー品を作る価値があるくらい人気の商品だったということなのだろう。

本当にバッグ作る方がよっぽど簡単じゃないのかなと思うが。


何にせよ、コピー品に気をつけながら、なるべくブランド ロゴが前面に押し出ないように揃えたいと思う。

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