見出し画像

最北の地でコーヒーを淹れる。

7月に入って、おい!だいじょぶか?と不安になるほどの暑さがやってきた。朝起きたら、すでに暑い。日が高くなったら、もうあかんくらい暑い。「外でコーヒーを淹れて飲んでもらう」ことが目的である(だったっけな、朦朧としている!暑さか!?)今回の旅で、この天気はちょっとよくない。いや、だいぶか!?

控えめに予想しても、街を行き交う人が
「30うん℃の暑いまちなかでコーヒーを飲もう!」
という気分になるはずがない!
コーヒーを待ってもらっているあいだに溶けてしまう!
(いや!焦げてしまうか!?そういえば僕の肌はこの旅がはじまるころは浅煎りだった僕の肌は、今では深煎りの黒光りする肌になってしまった!)

数日前から魔法瓶にアイスロックを詰めて、しっかり濃いコーヒーを落としてシャカシャカするアイスコーヒーを淹れているのだけれども、それにしてもこの暑さだと話題は「暑いねぇ!」だけで終わってしまうではないか!

僕は冬のアラスカも、夏のインドも走ってきたから日本の夏も冬も「まぁこんなもんだな」と諦めてしまうんだけれども、コーヒーを飲んでもらう人にはそんなわけにはいかない。できればいい環境で飲んでもらいたいし、何より暑すぎ、寒すぎではそもそもの出会いのきっかけが減ってしまうので僕は決心した。

「北海道に行こう」
(ほんとのこと言うともともとちょっとだけ頭にあった。なんか少しでも遠くから旅をはじめるほうが旅の感じが出て好きなのだ。それに季節のめぐりも良い。)

0円からスタートした今回の旅。有り難いことに、コーヒーのお礼にお金を置いていってくださる方もいて、旅のお金ポーチには北海道に渡るだけのフェリー代が集まっていた。

水戸駅前ですっかり暗くなるまでコーヒーを淹れて、そのあと北海道行きフェリーが出る大洗港へ向けて走りはじめた。出発は夜中。車もなく、誰も歩いていない唯一コンビニだけが生温い夜風のなかで目立つ、ひっそりと静まり返った港町を走り抜けると港の光が見えた。まるで中学校の建物のような横長くて見上げるほどのフェリーがそこにあった。

ほぼ1日乗り続けるフェリーではいつも眠い。なんだろう、張っている気が抜けるからなのか、疲れが溜まっているのか。とにかくいつも眠くなる。昼間か夜かよくわからないが、大きなお風呂に入るのと、少し旅を振り返る以外はたくさん寝た。そして翌日の夜に北海道の南、苫小牧に着岸した。

夜の苫小牧港は・・・土砂降り !すごい雨!ジャッバー言うてるほど!

さあどこでテントを張ろうか!なんて走りながら探す余裕なんてまるで無く、港からいちばん近い公園を地図で見つけてそこに飛び込んだ。その名もキラキラ公園。

どこらへんがキラキラなのかはわからないけれど、公園の真ん中くらいまで自転車を押すと何か大きなものがある。船のカタチをしている遊具!しかも部屋みたいになっていて雨がしのげる!やった!

そこに自転車ごと飛び込み、雨が降り込まない角度を探して寝床を広げた。外は相変わらずの大雨だけれど、少しだけ落ち着くことができ、やっと公園のまわりの風景を眺める余裕ができた。港には大きなフェリーや貨物船がつけてあって、それらを照らすための明かりがキラキラと輝いていた。(キラキラ公園!?)


自分の人生を実験台にして生きているので、いただいたお金はさらなる人生の実験に使わせていただきます!