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「わずか1杯のコーヒーのために」

さむい。。。(ほんとは、さむい!!!)
35℃の関東地方から降り立った北海道は苫小牧港のキャンプ明けの朝。
「ちょうどいいなぁ!」と言いたかった!そんな自分の気持ちなんてそっちのけの天気は風も雨もビュービュー、ジャバジャバ。
予報では、台風の影響で大雨なようだ。


こんな日は走るどころではない。コーヒーも淹れるところではない。
いさぎよさが大事!決めた!今日は休養日!
なるべく近いファーストフードのお店を調べ、レインウェアを着込んで雨の中を走る。いちばん大事なコーヒーセットの入ったリアパニアバッグには蓋の下に大きなビニールゴミ袋を挟んで雨避けに。

そうして午後、雨が弱まるまで、ブログを書いたり、連絡やりとりしたり。さすがに座りすぎで腰が痛くなったので、外に出ることにした。
雲には切れ目、すこし雨がパラつくけどもう大丈夫そうだ。

時間は夕方。さあここから走るか。どうしようか。そんなときに、札幌在住の聖子ちゃんからメッセージが届いた。

「まささん今夜は苫小牧ですか??
わたしあと1.5時間後に浦河を出発して、苫小牧経由で帰るのですが、
帰り道に合流可能ポイントあれば30分くらい会えたら、と思ってます!」

到着できるとしても、すっかり夜になってしまうし札幌着も夜中になる。それなのに時間を作って来てくれようとしているのか!これは!せいこりんのためにコーヒーを淹れることにするぞ!

ということで、昨日も泊まったキラキラ公園に戻り、あんまり寒いのでテントを張って21時に到着するという聖子ちゃんを待った。駐車場のバタン!という音、背の低いジープのかたちをした影。せいこりんだ!

「まささーん!」
疲れを感じさせず、しかも半袖で(寒くなかったのか!?)駐車場から走ってきた彼女にまずはあったかいコーヒーを淹れて飲んでもらった。それから近くの食堂にて夜ご飯。なんと!せいこりんがご馳走してくれた!歳下なのに!今回こんな旅(スタート資金ゼロ)だからかたじけない!

すっかりお腹いっぱいになって、彼女はここからまだ札幌までドライブが残っているのに笑顔で帰っていった。わざわざ来てくれてありがとう!そうして身も心も充電させてもらったせいこりん来訪となった。


翌朝。天気はまだグズっているけどとりあえずは持ってくれそうだ。
雨も止んだので、自転車の後ろにつける黒板に
「日本一周 おいしい珈琲淹れます」
と書いて走りはじめた。

室蘭。。。支笏湖。。。なんとなく行ってみたい地名が並んでいるが、ちょうど仲間から「支笏湖きれいだよー!」とメッセージが届いていたので寄ってみることにした。ちょっとだけ山越えルートだ。

昨日まるいちにち走れなかったうっぷんを晴らす!わけでもなんでもないけれども、普通に走っていく。僕にとっては日本一周をした12年前ぶりの北海道サイクリング。普通に目が行くのは、あまり本州では見かけない家のカタチ、それに植物。ほどよいカーブが連なる山道を入っていくと、あのトトロが雨のバス停のシーンで、傘のかわりに持っていたあのでっかい葉っぱがたくさん生えていて、ちょっとだけあのシーンを再現したい思いに駆られる。(こういうとき思い切ってこんなんできひん、ひとり旅であることに寂しさを感じる)
そうして、カクっと左に大きく交差点を曲がると支笏湖が見えた!霧だらけ!笑

本来ならすんげー風景&水面らしいのだけれど空はどんより雲が垂れ下がっていて、遠くには霧がかかっている。ま、、、まぁ桟橋の先っちょで佇んでみよう。

うしろ手に車が停まる音が聞こえて、誰か来たかなー?なんて思っていると、「見て!日本一周!珈琲いれますだって!」とおばさまの声がした。ちょうど戻ろうと思っていたタイミングだったので、ご挨拶をして、もしお時間少しあるならコーヒーでもいかがですか?とお声がけすると、じゃあいただこうかしら?となった。

やったー!だーれもいないしコーヒー淹れられるなんて思ってなかったから余計に嬉しい!パパっと準備をしてコーヒー淹れてたら一緒に来られていたご家族も集まられた。へぇどっから来たの?おー!南米から帰ってきたのか!僕もね30数年前にねアルゼンチンに渡ったんだよー!

話を聞いてみるとなんともインターナショナルなご家族!娘さんはNZ在住。お父さんもだいぶ海外を渡り歩いて来られたそうだ。コーヒーとお話を楽しんでもらえてよかった!そして、そのあとにもまた別のお友達で北海道を旅されているグループがコーヒーを飲んでくださり、思いもかけない湖畔でのカフェOPENとなった。あー楽しかった!

「さぁこっからどこ目指すかなぁ」と地図とにらめっこしながら、東京の仲間が週末にニセコである自転車レースに出場すると言っていたことを思い出した。ニセコまでの残り距離、、、あと2日、、、なんとかなる距離だ。

そうと決めたら、ニセコまで走る。泊まりは、、、そういや友達がいた!よーし連絡とってみよう!


(続く)


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