東雲 紫苑

東雲 紫苑(シノノメ シオン)と申します。想像上の現実と現実に於ける想像の創造。(思い…

東雲 紫苑

東雲 紫苑(シノノメ シオン)と申します。想像上の現実と現実に於ける想像の創造。(思いつくままに、想像の限りを産出したい) 日々の連なりを綴る備忘録。詩のような何か。 写真は暮らしの一瞬の記録から。 空と自然、チャイティーとジャスミン茶が好きです。

最近の記事

詩: 『祝福の舞踏会』

メロウな桃色 豊潤に甘く広がる その潤い 溢れそうな雫 揺れて輝く光 新鮮で芳潤な香り 落ち着きと癒しの薫り 時の進みはゆるやかに やがて変化する 桃色は滑らかなクリーム色に そして澄んだ白と青に 光が広がる 太陽の訪れ 甘さは薄れて 弾ける刺激 生命のエネルギーになる 全てを包み込む 落ち着きと癒しの中 爽やかな香りが加わる 祝福の訪れ 創造されたドレス 全てを詰め込んで 裾にはメロウな桃色 腰の広がりにクリーム色 首元からお腹へと続く白と青 胸元に輝く

    • 詩: 『階段』

      のぼる階段 おりる階段 りんご一つ分の高さ 枕一つ分の広さ 白く透き通り 朝陽に夕陽に 星に月に 光に乱反射する 触れる足下 細かい粒が跳ねる 輝きの破片 宙に舞う 上は下 下は上 のぼって おりて まわって 前は後ろ 後ろは前 すすんで もどって いって かえって 森の中 草の間 花の周り 蜂に挨拶 山の中 木々の間 岩の上 狼と頷きあう 空の中 雲の間 風の隣 鳥と握手 海の中 サンゴ礁の間 海草のそば 魚と躍る 密林も砂漠も 洞窟も草原も 国も街も家も

      • 詩: 『レンズ』

        レンズに反射する光 眩しく閃く 通り雨 優しく過ぎ去る 木々の葉 潤す滴 葉脈を伝う 留まり落ちる葉先 一瞬の光の反射 美しく煌く レンズ越し 広がる世界 自分だけの色が見える 自分だけの世界がある 誰とも同じではない 伝えたい 知りたい 受け入れたい 受け入れてほしい 私だけの色 私だけの世界 それぞれの見え方 私だけに 君だけに 見えている世界 たとえ同じでなくとも 悲しくはない たとえ君にしか見えなくとも 確かにそこにある 素晴らしい景色 科学的な説

        • 詩: 『ある一羽の鳥』

          ある一羽の鳥がいた 止まる木の枝の上 鳴いている 美しいとは言い難い声だ 周りの鳥たちの声も聴こえる 聴き慣れた綺麗な高い音 あの鳥は他の鳴き声など気にもせず ただ自分の声をあげる なぜ君は鳴くのか 周りとは違う声で なぜ君は歌うのか 鳴きたいからさ 声を思い切り出したいからさ 歌っている時が一番楽しいのさ 嬉しいのさ みんなそれぞれ違う声 同じ歌などないよ 自分にしか出せない音 自分にしか歌えない歌が それぞれあるのさ 僕は自分の声が好きさ 歌う歌は宝物なん

        詩: 『祝福の舞踏会』

          詩: 『砂丘』

          私は座る 乾いた砂の上 幾重にも蓄積された粒子 なだらかな砂の丘 あたり一面の白茶色 連なる低山 掬い上げた手の隙間から サラサラとこぼれ落ちる キラキラと光に反射する 夕陽が沈む地平線 砂の地の先 茜色に染まる 私の身体は沈んでゆく 私の身体は溶けてゆく 私の身体は取り込まれてゆく 砂の中へと 緩やかに しなやかに 包み込む 私の意識は沈んでゆく 私の意識は溶けてゆく 私の意識は取り込まれてゆく 砂の中へと 身体の感覚 五感 意識 遠く離れてゆ

          詩: 『砂丘』

          詩: 『先導者』

          一羽の鳶 白と灰 雲海の中 弧を描く 遥か上空 空を泳ぐ 深く潜る 何重もの輪を作る 羽根は風雅に 流れるように 悠然と 大きく くるくると 昇ってゆく 旋回を終えた後姿 雲海の果てに向かう 白の中 どこまでも 遠く高く深く 吸い込まれてゆく 超越の時 超越の空間 いつからか 飛ぶことをやめ 眠りについていた 忘れられていた 私の翼が今 目を醒ました

          詩: 『先導者』

          詩: 『夕空のオーロラ』

          山の向こうに日が落ちる いつしか雲は山の端々へ 空は開かれた 広がる薄青 裾から染まる夕陽の色 そこから差し伸ばす 薄虹色の波 夕空のオーロラ 淡く 儚く 柔く 伸びた虹は月に架かる

          詩: 『夕空のオーロラ』

          詩: 『家族』

          家族ってなに? 結局は血のつながり 本当にそうかな? 家族ってなに? 血のつながりを超えたものを信じてる 結局助けてくれるのは親族 本当にそうかな? たまたまそうだっただけだよ 私は違うかもしれない 血のつながりも絆 血のつながりがなくても絆 心のつながりを信じてる 家族ってなに? 血のつながりってなに? 家族はどこにいても家族だ 血のつながりを信じてる 家族ってなに? 心のつながりってなに? 家族はどこにいても家族だ あの人も私の家族だったん

          詩: 『家族』

          詩: 『夏部屋』

          畳の部屋 八畳の間 落ち着きの匂い 南側に続く縁側の廊下 大きなガラスは両脇に 網戸の先にはよしず 味わい深い色を持つ 通り抜けるそよ風 時折揺れるレースのカーテン よしずから溢れる光 垣間見える紺碧の空 白い雲は生き生きと 太陽は南から西へ 景色は流れる よしずの向こう 規則正しく肌に触れる扇風機の風 柱に掛かる風鈴 チリンと揺れる 聴こえてくるセミの音 畑の脇の柚の木から 夏の終わりのセミが鳴く 山鳩が静かに唱える声 聴こえる よしずの向こう 水分を含ん

          詩: 『夏部屋』

          詩: 『白い雲の中』

          明瞭な白さ 澄んだ青空を背に 綿雲は流れる 大海の中 山々は地平線に 雲海に囲まれる 雲たちの航海 風の流れは穏やかに 緩やかに混ざり合う 白さは厚みを増す 太陽の光は濃淡を露わにする 薄くたなびき青が透ける 風に身を委ね ゆるりと舞う 白く眩しく光る明るい場所 その中に七色の光 優しく淡い虹が見える 小さな粒がキラキラ 七色に染まる光 ひっそり降り注ぐ 白い雲の中

          詩: 『白い雲の中』

          詩: 『夕焼け』

          西の空 日が沈もうとしている その眩しさは  ゆっくりとぼやけ 空に雲に溶けだす 澄んでいた青空は  ゆっくりと色を変える 太陽の光と混ざり合う 白い雲は  ゆっくりと日に吸い込まれてゆく 柔らかく淡い光の色を纏いながら 地平線から広がる 温かく包み込むような明るさ 空の色に映し出される 太陽の色 淡黄色の光波 薄桃色と藤紫色に染まる雲 南も北も東の空も まだ明るい青のまま 漂う雲は 西の空の果てに吸い込まれる 日没を共にせんと 次なる景色に行かんとす

          詩: 『夕焼け』

          詩: 『空気』

          ずっとそばにいる ずっと一緒にいる ずっと存在している 人間と動物と虫と草と木と花と 火と水と風と土と海と空と月と太陽と 地球に 光と音と香りと 甘美さと滑らかさ 五感のすべて 生物の呼吸 体を巡る煌き 植物の呼吸 染み込み生み出す煌き 生命のすべて 火の現れ 燃える煌き 地中の記憶 溶ける煌き 生まれる風 導く煌き 大きく広がる空 覆う煌き 水の中姿を表す 確信の煌き 海底の営み 混ざり合い生み出す煌き 月の光 静かな波の煌き 太陽の力 介在する煌

          詩: 『空気』

          詩: 『雲の精霊』

          彼らを見つけた 雲にいた 薄い朧げな膜 霧をまとう 筋を伸ばす 波打つヴェール まだらに群れをなす ふわふわした綿 羽が広がる 大空の中を風と共に流れてゆく 姿を変え 形を変え 集まって 大きくなって 離れて 散って 小さくなって 風に溶けて 水の粒になる また集まって雲になる 時に多くの水がこぼれ落ち 時に冷たい結晶が舞い落ちる 時に鋭く光る衝撃を放つ 全ては彼らの御技 彼らは雲とともに在る どんな姿にするも彼らの自由 水と風と空と 太陽と月と 海と土と森と共に

          詩: 『雲の精霊』

          詩: 『目覚め』

          心地よい目覚めの時は 夢の世界との繋がりを感じる 夢か現か分からぬまま漂い流れる さらりとした風に揺れる前髪 空気が取り込まれ体をめぐる 布団の柔らかさを肌に感じる 周りに広がる生命の音が聴こえる 自然に瞳は開かれる 薄く白い明るさが溢れている ゆっくりと瞬きを繰り返す 五感の存在を思い出す 身体の神経が取り戻される 穏やかな心 幸せな眠りと目覚め 感謝と祝福 全ては満たされている 安らかな気持ちに包まれ しだいに覚醒してゆく意識 思考がやってくる ゆったり

          詩: 『目覚め』

          『夜の飛行機雲』-エッセイ風-

          ある夏の夜のことだ。 夕食は素麺だった。 冷汁に麺を浸しすすれば、 紫蘇と胡麻の香りが鼻を通る。 胡瓜の水々しさに体の熱も冷やされていく。 祖父が言った。 「もうそろそろ人工衛星が見えるぞ。」 私と弟と妹は祖父と共に庭へ出る。 外は少し蒸し暑かった。 頭上を見上げ、薄暗い中に目を慣らしていく。 夜の空の深く暗い青に、小さな光がある。 こと座のベガだ。 そのうち、他の星たちの存在に気が付く。 人工衛星は北西から南に向かうらしい。 まだ、その姿は確認できない。 皆そ

          『夜の飛行機雲』-エッセイ風-

          詩: 『朝焼け』

          東雲の空 土と草の匂い 夜露の名残り 深い眠りと安らぎの匂い 静寂の中 時折響く虫の声 鳥たちの挨拶 そして日が昇る 朝露をまとった草たち 日の光はその潤いを照らし出す そっとそよ風が彼らを揺らす 柔らかな朝焼け 白んだ空に雲が浮かび上がる まだら雲かうろこ雲か 光の先へと吸い込まれる 白と青のグラデーション 一点の紅が広がる 取り囲む雲たちは杏色に染まる 離れの者たちも淡黄を含む 薄く澄んだ青の中 穏やかな光が差す 山々の輪郭が色濃くなる 光が拡げた地

          詩: 『朝焼け』