浦安、カレー、ゴリラ亭
本日のカ、カレー!Prime
カレーとingressはよく似ている。
1ジャンルの中に一口では言い表す事のできない多様な文化、味わい方があり、その全てを一個人が全てを知り楽しむことなど到底出来ないエンドレス感。
その中で何を選択し、どう楽しむかは詰まるところ好みとリソース、妥協の問題だ。
そして今日も僕は夕飯にカレーを選択した。
しかし、何処で食べるのか?
手近で安定感のあるチェーン店で済ませてしまおうか?となどと考えながら今日も夜も更けた浦安駅前を彷徨い始めた矢先、明らかに周囲の中で浮いている店が目に飛び込んできた。
「カレーハウス ゴリラ亭」
店内には客1人。道を挟んだ向かいには「すき家」。お客の入りはそこそこ。
迷わず「ゴリラ亭」を選択した。妥協はなかった。
カレーとゴリラという全然ピンと来ない組み合わせ、という点で思い出されるのはゴーゴーカレー。
しかし、どう観ても「ゴリラ亭」の方がこの組み合わせのパイオニア感が半端ない。
さて、足を踏み入れるとU字カウンターのみのシンプルな座席構成。
メニューはポークカレー、カツカレー、野菜カレー、といった具合で、15種程度。
何の捻りもないネーミングが却って良い。
割と悩んだ。
ジャンボカツカレーにも惹かれたが
「チーズメンチカツカレー」を選択。
店員さんはオバちゃん唯一人。
特にフレンドリーさはなく、職人の如き注文の受け答え。
店内奥では早速メンチを揚げる音が響き、空腹感を促していく。
どうやら、衣をつけるところから一からスタートしている模様。
暫くして揚げたメンチを包丁で切り分けるザクザク音が響く頃には期待はマックスへ。
「はい、チーズメンチ」
余計な事は一切言わず置かれたそれはビジュアルだけで充分な説得力をもった、ある意味期待通りのカレーであった。
日本で育まれたカレーの完成形の1つ。
思わず色んな角度から鑑賞。
チーズトロトロな揚げたてメンチとルーとご飯を無造作に絡ませて口に運ぶ。
家庭的なカレーとはやはりどこか違う外で食べるカレーの風味、サクサク衣のメンチの食感がたまらず、調理時間よりも圧倒的に早くに完食。
結局カレーはこういうシンプルなのが一番満足感がある。
唯一人いたお客が先に出たタイミングでさりげなくオバちゃんに聞いてみた。
「もうここのお店長いんですか?オバちゃん1人でやられてるんですか?」
「そうだね、30年以上かね?今は1人だよ。」
そう言うとカウンター下からおもむろに牛乳を取り出しコップに注いで一気に飲んだオバちゃんは店の奥へ。
やはり余計な事は一切言わないタイプなオバちゃん。
しかし、「今は1人」という言葉の裏に「ゴリラ亭」が今より繁盛していた時代を垣間見たような気がして、少々哀愁を感じたのであった。
あ、ポータルは2つくらい入ります。
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