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領域固有性

「教科書」の問題が解けるようになれば、全国学力・学習状況調査の同じような問題も抵抗なく解くことができる子どもは、学級の何割程度いるであろう。 

子どもたちは、「問題提示の仕方」や「問い方」「解答の仕方(PC)」によって左右される。だから、教師からしたら、似たような問題であっても、教科書で経験をしなかった情報過多の問題、解答に時数制限のある問題になると、子どもたちにとっては全く違った問題として受け止められる。いわゆる発展問題や応用問題となるともっとその傾向が強い。

これを認知心理学では、領域固有性という。

形式的には同じような考え方であっても,考える内容が変われば同じように考えられるとは限らないのである。

つまり、思考は内容領域に固有なものであって一般的な思考力は存在しないという考え方である。これは判断力や表現力についても同様なことが言える。                         

論理的にはまったく同じ課題であれば、問題の表現を慣れ親しんだ日常的な場面に移すと理解できるようになるのである。

難しい話を、日常的な場面を引き合いに出し、「対比」や「類比」をさせることにより、相手に分かりやすく伝えることができる人がいるが、これも領域固有性を意識していると考える。

領域固有性を理解していると、子どもたちへの指導や支援の幅が広がる。



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