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勉強の時間 三千世界への旅/プロローグ2


アメリカという領域


この三千世界への旅では、これまでの総まとめ的なアプローチではなく、もう少し自由にいろんな領域を訪れていこうと思っています。ただ、自由にいろんな領域を旅すると言っても、いくつかテーマがないわけではありません。

僕がここ5〜6年、特に興味を持っているのは、アメリカ合衆国という国の成り立ちです。

アメリカは科学と理性と合理主義で世界をリードする超大国になったという側面を持つと同時に、人口のかなりの部分が進化論を信じていなくて、聖書で語られている通りに神が今ある生物を全て今ある通りに創造したと考えている、非科学的で非理性的な国でもあります。

先進国としてそれ以外の地域に技術を伝え、近代化を応援する啓蒙主義の国であると同時に、反抗する勢力を武力で攻撃し、征服しようとする侵略的な国でもあります。

この理性と非理性がどのように共存しているのか、そもそもこの国でこのふたつの原理はどのように生まれ発展してきたのかというのが、この「三千世界への旅」のひとつのテーマです。



非理性という領域


もうひとつのテーマは、非科学・非理性・不合理そのものです。

アメリカという国が誕生する以前から、人類は宗教・信仰の力、近代から見ると非科学的・非理性的・不合理と見えるものの力によって、自分たちの領域を拡大してきました。

科学も古代にはそうした宗教的な領域の中にあり、天文学が占星術から、化学が錬金術から発展したように、近代から見ると非科学的・非理性的・不合理な情念の中で生成されたのです。

この非科学的・非理性的・不合理な力とは一体何なのか、今の人類にどういうかたちで作用しているのかといったことを、いろんな国や地域、時代を訪ねながら考えていきたいと考えています。

最初は「三千世界への旅/アメリカ編」を連載し、次に「三千世界への旅/魔術編」を連載していこうかと思ったんですが、このふたつの領域は互いに入り組んでいる部分があるので、そういう分け方・順番で語ることができるのか、今はわかりません。

もしかしたら、アメリカ編と魔術編が同時並行でアップされることがあるかもしれません。



日本という領域


その先には、日本と日本人の精神構造というテーマがあって、この国がどういう国で、私たち日本人がどういう性質を持っていて、それが社会や政治や文化にどう作用しているのかを見ていこうと考えています。

特に古代までの非科学的・非理性的・不合理なカルチャーに、科学的・理性的・合理的なカルチャーがどのように加えられ、融合したり互いに反発したりしながら、この国の人と社会を作ってきたのかを考えていきたい。

そのためには、まず科学的・理性的・合理的なものと、非科学的・非理性的・不合理なものの事例を、アメリカ編、魔術編で検証しておきたい。

もしかしたら、日本に色々なカルチャーの種をもたらした中国とか朝鮮についても、先に勉強する必要があるのかもしれませんが、今のところはまず、アメリカと魔術について考えながら、先へ進んでみます。


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