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[本棚に魚本] 旬の魚を食べ歩く (ノンフィクション)

『旬の魚を食べ歩く』 斎藤潤著 (光文社新書)

著者が全国各地でその時が旬の魚介を使った郷土料理を食べる、という本。
各季節ごとに4〜5種類の魚介が取り上げられているが、タイ、アジ、サケ、カキなど全て日本人にはお馴染みの魚介なので、著者が食べた郷土料理の味の想像がつきやすい分、読み進めながら何度も「食べたい〜!」と心の中で叫んでしまった。
中には知らない郷土料理もたくさんあったが、それらについて地元の人たちに教えてもらったエピソードや、目の前で調理される様子なんかが綴られていて、知的好奇心は満たされる。しかし、腹は満たされない(笑)

漁法や各地域での特定の魚に関する漁業のルールなどについても触れてある部分があり、これまた面白い。特にサクラエビの水揚金の話なんてのは、全く知らなかったのでビックリ。
魚の地方名もいろいろ出てくるし、カツオの章では土佐での品質での呼び方の違いの話も出てきて凄く勉強にもなる。

この本を読み終えて一番最初に抱いた感想は、「羨ましい」だった。
この著者のように全国を巡って、その土地土地で旬の魚をその場所らしい食べ方で食べる、そんな経験したくないわけがない!
旅行先で居酒屋に入って食べるのとは違い、地元の漁師さんや民宿の人たちから、その魚に関する話を聞いたり、郷土料理を作るところを見せてもらったりしているのが、一般人にはなかなか真似できない部分。

面白い小説並みに早く続きが読みたいと思うくらい面白かった。
著者がこの本の出版以降に食べた各地の旬の魚介の話も書籍化して欲しい!



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