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中華美女になった話

GWなので長文に初チャレンジします。お手柔らかに。
SNS運用等について、ごちゃごちゃ書いているので少し長くなっています。
要点と結果だけ知りたい方は、下の目次から「はじめに」「まとめとこれから」を選択して読んでみてください。
そして、もしよければコメント・感想を頂きたいです。次回に活かしたい!

はじめに

実は2020年2月〜2022年1月までの2年間「中華美女」という中国のメイクやファッションを日本向けに紹介するTwitterアカウントを運営していました。
フォロワー総数は一番多い時で3万人ぐらい。
このアカウント運営を通して、2年間色々な経験や学びを得られたのでシェアしたいと思います。何かしら誰かの役に立てれば嬉しいです。
(色々あり今は私の所有ではないですが、まだ存在しているようです↓)

1、中華美女との出会い

きっかけは2020年2月、職場で日経MJ新聞の記事を目にしたことから。
「中華メイク流行の兆し」的な内容に衝撃を受けた。

2020年2月3日の日経MJ新聞、気になって写メっていた

当時の流行といえば、もっぱら韓流メイクとかオルちゃんメイク、地雷メイク等、そんな感じのメイク/ファッションが流行っていた時代。
そんな中、次は中国メイクが流行るという記事に全然ピンと来なかった
「本当に流行ってるんかな?」と、男ながら感じたのを覚えている。

職場から帰宅後、あの記事の内容が気になり、本当に中国メイクが流行ってるのかSNSで調べてみた。
すると、確かに少し盛り上がっている。韓国ほどでは無いけど。。
※ちなみに、中華メイクとはしっかり存在感のある目元と紅色の口紅で強い女性(自立した女性)的なメイクのことをいうらしい。↓は例。

バズってる投稿達をパッと見渡した感じ、中国メイクのHow toや、中国のインフルエンサーの映え写真が良く拡散されていたが、中国でバズって一息ついたぐらいの少し古めの投稿が多いと感じた
たぶん理由は、①言語の違いと、②中国と日本では使用するSNSが異なる、という2つの壁があって、発信源である中国側の情報がタイムリーに日本側へ入って来ていなのかなーと想像した

※中国の方々は、よくこんなSNSを使っています。
・微博(WEIBO)→Twitter的なやつ、個人のつぶやきとか
・小红书(RED)→Instagram的なやつ、若者の写真と動画など

当時私は、上の2つのSNSを使っていたので、そんなに需要があるなら私が
中国側の情報をまとめて、日本側に提供すれば便利じゃん!
と思った。
よくTwitterにいる「〇〇Bot」とか「キュレーター」みたいなイメージ。

2、開設〜運営中期

・開設

思いついたその日に、Twitterアカウントを開設。
アカウント名は一旦「中国美女」にしたが、中国以外の中華圏も情報発信の範囲に含めたかったので、最終的に「中華美女」とした。
このアカウントを見れば、中華圏のファッショントレンドが丸分かりできる、特化型メディアというコンセプトで運営をスタート。

初期の頃の即席手作りアイコン、ヘッダーにも同じものを使用した。

・初期〜何を発信すれば良い?

アカウント開設したは良いものの、具体的な発信内容は悩んだ。
第一に自分は男だし、メイクしたことなど一度もなく、当然詳しくもない

参考がないかと、「中国美人」や「台湾美人」でBotアカウントを探すと、フォロワー1,000〜2,000人台でセクシー路線の発信をしてるアカウントがあったが、規模が小さい。需要もあまり無さそう。

もう少し調べてみると、「世界の美女」「紅美女」「チャイボーグBot」というフォロワー5万〜10万人規模の、メイクやファッションを紹介するBot達を発見。彼らの投稿スタイルを徹底的に参考にすることにした
自分が知らないだけで、同じようなことをしてる人は結構いるもんだ。

・投稿内容:美女画像(中華メイク)2~3枚を1つの投稿に。
・投稿頻度:1日3投稿。(15時、18時、20時)
・これを図鑑の如く毎日投稿、コメントには基本的に無反応。
上記アカウントの共通点をルールにして、アカウント運営をスタート。

※美女画像(中華メイク)は、上で紹介した小红书(RED)の画像共有機能を使う形でTwitterに投稿した。REDはSNS上の画像をダウンロードして共有することが可能。その際、画像の出典(アカウントNo)が右下に刻印されて、インフルエンサー達は名前付きで拡散され知名度を得ることができる。
拡散を望まないアカウントは設定でダウンロード不可にすることができる。

いざ投稿開始しても、自分のフォロワーが0人では意味が無いので、上の3つの巨大アカウントのフォロワーを、上から順番にフォローしていき認知してもらうローラー作戦も同時並行で開始
数百名づつフォローしていくと、毎日30〜70名ぐらいフォロワーが増えていった。これが全て手作業だったので地味にきつい作業だった。
アカウント開設後、約3ヶ月でフォロワー2,000人台に到達

2020年2月〜6月までのFF推移表

・初期〜便利ツールの発見

毎日REDで写真を探し、ダウンロードしTwitterに投稿する作業も毎日続けていくのは負担が大きい。競合はどうやって継続しているのだろうと思い、競合Botの投稿を観察しているとの下方に「SocialDog」の文字を発見。
これはTwitterの機能には無いものだ。

なんだ?と思い検索してみると「無料の外部Twitter運用ツール」だった。
このツールを使うことで1週間分の投稿予約とフォロワー推移やキーワード検索等ができるようになり、毎日していた投稿作業が1週間に1回になる等、運営に要する時間と労力を大幅に軽減することに成功した。
このツールがなければ、2年も運営を継続することは難しかったと思う。

・中期〜ブランディング化

アカウント開設からもうすぐ1年になる、2020年12月。
フォロワー数は3,000人台。新規フォロワー数が伸び悩んでいた。

どうすれば一気に短時間でフォロワーが増やせるか日々考えたが、現実的な良いアイデアは浮かばない。

ふと「中華美女」でエゴサすると、多数派の「中華美女メイクを知りたい層」の他に「中華美女の絵を描きたい/見たい」ニッチ層がいることを発見

こういう需要もあるのかと思い、早速イラストレーターについて調べてみると、奥が深く進化している。こんなに美しい表現ができるのかと驚いたのを覚えている。最新のイラストレーター紹介本を見た時に、中華美女と相性が良いことを確信。
そこで、有名イラストレーターに中華美女アイコンを描いてもらうことで、イラストファン層の流入と、中華美女アカウントの信用性(公式感・権威性)を高めてもらえるのではないかと考えた。

アイコン作成依頼は、「ILLUSTRATION2021」掲載画家の中で一番好きな画風だった、凪さんにダメ元でお願いしたら、奇跡的に引き受けてくれた。
イメージ共有、ラフ案の作成、色付け等、一連の作業を経ること約1ヶ月。
とんでもないクオリティーのアイコンが完成。控えめにヤバい。
完成時は本当に感動した。凪さんありがとうございました!

このアイコンが初の自己コンテンツになった。
投稿を機にイラストレーター層のフォロワーが急増。1日で150人ぐらい増。

アイコン画像投稿日のフォロワー数推移
凪さんの東京個展にて、制作のお礼に伺った時の写真

・中期〜収益化への挑戦

アカウント開始から1年。アイコンも出来上がり、フォロワーも4,000人台と増え始めてきた頃、収益化について考え始めた
人を集める魅力的なアカウントを持っているにもか関わらず、1円も自分で生み出せないのは勿体無いと感じていた。
ただ、どうやって収益化する?このとき参考にしたアカウントがこちら。

みなさんご存知の「イニエスタBot」。フォロワー数なんと60万人
イニエスタBotなんて自己コンテンツもクソもない。イニエスタ選手の写真に関西弁のコメントを載せるだけである。しかしそれが鋭くて面白い。
このアカウントがどう収益化してるのかというと、グッツ販売である

ふざけ散らかしたパーカーとかTシャツをガンガン売り捌いて稼いでいるのである。本当にすごすぎる。どんな人が買うのだろうか。

早速、中華美女でもオリジナルグッツ販売を取り入れることに。
「SUZURI」というオリジナルグッツ販売サイトで商品を制作し、販売ページのURLをTwitterアカウント紹介欄に貼付。人の目に留まるようにした。

SUZURIが凄いのは、デザインさえ準備すれば、直ぐに数十種類のグッツが販売できることだ。商品の販売管理から発送まで全てSUZURIが行うので、販売者側はデザイン準備と集客以外することがない。また受注生産制なので販売者も無在庫・ノーリスクで販売開始でき、価格設定も自由にできる。
シンプルで非常に画期的なオリジナルグッツ販売サイトだと思った。

中華美女が制作販売した商品の一部はこちら↓ このほか10種類程度アリ。

販売開始から半年、売上はこんな感じ。少額だが初の収益化。嬉しかった。

販売開始から半年後の売上、販売経費等が引かれて残りが手元に入る。

・中期〜メイク方法紹介開始

アカウント開設から1年半ちょっと。これまでは基本的に写真3枚のみの投稿に落ち着いていたが、新たに中国語のメイク方法を日本語に翻訳して発信するスタイルを取り入れ始める。→しんどくて長く続かず。↓は例。
ただメイク方法紹介はバズり易く、需要はかなりあると感じた。

この頃からInstagramも開設。ストーリーやリールを使って動画も発信した。

3、運営後期(バズ)

・バズった

開設から1年10ヶ月した頃、なんの前触れもなくいきなりバズった
フォロワー5,000人からあっさり10,000人を超えた。
5,000人集めるのに1年半かかったが、追加の5,000人は2週間で達成した。
その2週間後には20,000人もあっさり達成。バズるとは凄いことだ。

バズの瞬間。1日に300~500人FFが増え続ける。

・新たな収益化検討(ECショップ)

フォロワーが増え始めてきた頃、SUZURIのグッズ販売からオリジナル洋服ブランドのEC販売への移行を検討し始めた。
簡単に言えば、人の店に自分の商品を置かせてもらっていた状態から、自分のセレクトショップを開くイメージ。リスクはあるが利益が2倍以上になる。

これはインフルエンサーが自分の洋服ブランドを作ってるのを参考にした。
当時勢いがあったECサイト「17kg」や個人ショップ等も参考にした。

当時作った事業の企画書を下記にて簡単に紹介する。
一丁前に初年度売上1,000万円、3年後売上1億円の計画である。

当時作成した企画書の一部ページ(中国仕入・日本販売のスキーム)

EC事業の詳細については、別記事にて詳しく書こうと思う。
もし企画書を見てみたい方がいれば連絡してほしい。

ちなみに下のサイトが運営していたECショップ。「EATON」
色々あってショップ名が2、3回変わっております。

・年末ランキング企画

2021年12月末。
これまでの投稿の中から、人気TOP5を発表する企画を実施。
5位から順番に発表していき、大晦日に1位を発表した。
人気の中華美女は何回ツイートしてもよくバズる。

4、アカウントを手放す

2022年1月。
フォロワー急伸する絶頂で、2年運営してきた中華美女を手放すことに。
最終的な中華美女アカウントの運営成績はこちら↓

2年間の運用成果 FF数現状
2年間の運用成果 新規FF数(フォロー解除含むFF総数)

・問題と解決の条件

手放した原因は、一言で言うと、私の力不足

実は洋服のEC販売を開始するタイミングで、知人を通じてネットECに強い方を紹介してもらい、その方と一緒に事業を進めていく計画であった
共同創業という形で出資もしてもらい、事業の方も少額だが売上が立ち始めているタイミングであった。
私はEC専門の方がアドバイザーになった!ととても安易な考えでいた。

しかし実際には、出会ったばかりの信頼関係がまだ無い人を共同創業者として承認してしまったのだ。共同創業とはこれからの利益と、これまで積み重ねてきた実績も相手に差し出すということ。また事業にも相手の資本や意見が入ることで、もう自分だけの所有物ではなくなっていた
当時の私は、これが我慢出来なかった。というより理解できていなかった

悩みに悩んだ末、事業を解消したいこと伝える。
当然、相手にもこれまでの消費した時間や労力、これから期待されていた売上機会の損失等で、迷惑をかけているので、損害の補填内容を協議した。
その条件に、出資金の返金と中華美女の譲渡があり、私はそれを承諾した

結局、私の元には仕入れたばかりの大量の洋服在庫だけが残った。
安易な行動で、2年間積み上げてきたものが一瞬で無くなる経験をした。
無知であった自分を悔いた。

自分の部屋に積み上がる洋服の在庫(全体の一部)

・学び

中華美女の開設〜手放すまで、全てが新しく全てが学びであった。
始める前まで興味すらなかった、化粧やファッション等の流行について、SNSの運営や事業のやり方・始め方について等、少しは知識も付いた。

また最近では中華美女でこのような失敗を経験できたことも、1つの財産なのでは無いかと考えている。結果はどうであれ、0価値だった物を他人から出資をしてもらえるレベルに持ってこれたことは自信にも繋がった。

人間関係においても、この中華美女を始めたことで色々な出会いと別れがあった。関わってくれた全ての方々に感謝します。ありがとう!

まとめとこれから

まとめ
・Twitterアカウントをフォロワー0から3万まで育てることができた。
・運営を通して、自分で企画し行動できた。少しだが収益化できた。
・色々な人との出会いがあり、貴重な経験をすることができた。
・事業で失敗した。2年間積み上げたものが手元からなくなった。

実はアカウントを手放してから、既に1年ちょっと経過しています。
この1年の間にも色々行動することができました。
・手元に残った大量の在庫を地道に売り始めたり(在庫0に!)
・デザインの勉強で紅型教室に通い始めたり
・会社法や税金の勉強、簿記3級や販売士2級の資格取得
・貿易に興味を持ち貿易実務検定(通関士へ向けて)の勉強を始めたり
色んな良い反動がありました。(資格試験に年間合計12回受けました)

そして、これから
・中国に行きます。(2023年9月予定。)
・日本(沖縄)の良物を世界へ、世界の良物を日本(沖縄)へ入れたい。
・中国の情報を日本(沖縄)へ、日本(沖縄)の情報を中国へ発信するようなことをしたい。
ニーズを見ながらではあるが、これからこれらを達成できるよう行動していきたいと思います。
※中国行きについての詳細は別記事にて改めて書こうと思います。

以上が「中華美女になった話」でした。
よければ感想・コメント下さい。次回以降に活かしていきたいです!!


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