海老原いすみ

小説・ショートショート/イラスト/原発事故のメモ

海老原いすみ

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記事一覧

すごいはすごい

すごいものを見た人は 体に電気が走ってしまい 命令されてもいないのに マネをしたくて仕方ない たとえマネができなくても 「やっぱすごいな」となるのだし マネができてし…

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気付かない

犬)おい見てみろよ 猫)なんだありゃ。俺たちの事笑ってた人間が変なのつけてら 犬)何て名前か知ってるかい? 猫)エリザベスカラーだろ? ジャマなやつ 犬)フェイスシ…

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12月の玉手箱

アマゾンを焼き、乱獲、動物 難なく労せず右から左に 期待する未来とは裏腹に 肥大化する資本主義うたかたに パンドラの箱が開いた2020 五輪大好きなコインランドリー 全国…

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忘れちまった流行語

7年8ヶ月もの間、内閣に人事を握られた官僚機構は石橋を叩いて渡るように言葉を壊してきた。新政権はさっそく言葉が通じない。 それでも流行語大賞が決まる。 政治家が…

食欲の秋

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矢器トリ

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ムクドリ

山を切られたムクドリは 腹を空かせて空を飛ぶ お前もそうか、お前もかと 仲間を携え群になる 寝ぐらを失くしたムクドリは 住宅街の空を舞う 木のないジャングル 希望の街…

3

ゴーヤ

私に荒ぶる林とジャングル(Fan troglodytes)

その日、私はドブ川の酷い匂いで目を覚ました。近頃はどうにもならない異常気象のせいで、朝も夜も関係なく暑い日がある。そうすると熱されたドブ川は発酵し、川の底部から…

3

アカピッピミシミシガメ

1
+11

Jヴィレッジについて 情報公開請求が東電に共有されていた

+8

緊急事態宣言解除後も遠隔質疑/Jヴィレッジの原状回復工事についてはほとんど回答しない2時間コース

+14

1号機SFP養生バッグの設置完了/ALPS系統水の分析員の問題/厚労省が除染低減作業は除染だと明言

+14

替え玉に関するウツエバルブと大成建設の処分の差について/護岸エリアの濃度上昇とメガフロートの関係について

+16

2号機タービン建屋屋根面雨水 排水先追加/1号機使用済み燃料プールの養生バッグ設置作業/2号機使用済み燃料プール内の調査に…

+13

プロセス主建屋の水位計を誤って設置していた可能性が浮上/Jヴィレッジの原状回復工事は除染ではないので土地の造成に適切に使用…

すごいはすごい

すごいものを見た人は
体に電気が走ってしまい
命令されてもいないのに
マネをしたくて仕方ない
たとえマネができなくても
「やっぱすごいな」となるのだし
マネができてしまったら
「こうすればもっとすごくなるんじゃないか」と探求する
ずっとすごいが連鎖して
すごいはすごいを繰り返す #詩

気付かない

犬)おい見てみろよ
猫)なんだありゃ。俺たちの事笑ってた人間が変なのつけてら
犬)何て名前か知ってるかい?
猫)エリザベスカラーだろ? ジャマなやつ
犬)フェイスシールドだってさ
猫)なんだそりゃ。皮膚病だろ?
犬)詳しくは分からないけど、違うらしい。あれじゃ水も飲めやしない。
猫)変な生き物だな人間って。笑われてるのも気付かない。クシュン
犬)おや、風邪かい…? #ショートショート

12月の玉手箱

アマゾンを焼き、乱獲、動物
難なく労せず右から左に
期待する未来とは裏腹に
肥大化する資本主義うたかたに
パンドラの箱が開いた2020
五輪大好きなコインランドリー
全国民に10万円を 電通に中抜きを
日々強いられる火の輪くぐり
絶対に言わない一先ず無理
逐次投入 贅沢は敵
そんな生活から抜け出す為に
店を開けば自粛警察
ビッグな邸宅は私兵が警護
国会、嘘つき、権利は企業に
映さないテレビと受信

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忘れちまった流行語

7年8ヶ月もの間、内閣に人事を握られた官僚機構は石橋を叩いて渡るように言葉を壊してきた。新政権はさっそく言葉が通じない。
それでも流行語大賞が決まる。

政治家が決めた「不要不急」という物差しと照らし合わせて、いざという時に自分はこうも簡単に切り捨てられてしまう存在なのかと打ちのめされたアーティスト達は言葉を失った。
それでも流行語大賞が決まる。

みんなマスクをしていて、予防原則的に必要最低限の

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ムクドリ

山を切られたムクドリは
腹を空かせて空を飛ぶ
お前もそうか、お前もかと
仲間を携え群になる

寝ぐらを失くしたムクドリは
住宅街の空を舞う
木のないジャングル
希望の街路樹
仲間は撃たれて塵になる

今日もうるさいムクドリが
どこかに行けばいいのにと
鷹匠雇って エアガン乱射
街路樹を切って 笑い合う

想像力は何処へ行く
視界を消えれば解決か
不自然の中で奇妙が連鎖
カラスはそれ見て笑ってる

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私に荒ぶる林とジャングル(Fan troglodytes)

私に荒ぶる林とジャングル(Fan troglodytes)

その日、私はドブ川の酷い匂いで目を覚ました。近頃はどうにもならない異常気象のせいで、朝も夜も関係なく暑い日がある。そうすると熱されたドブ川は発酵し、川の底部からガスが噴き出してくるのだ。考えただけでも「オエッ」である。ただ、私の家の近くにそんなドブ川はない。どうやら寝ぼけている。寝違えたのか首筋も痛い。
「トットットッ!」
そのうえ、一人暮らしなのに部屋の中から足音が聞こえる。重い瞼を剥がして現実

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