見出し画像

「らんまん」を観てふと思い出す。

朝ドラ「らんまん」を毎日欠かさずルーティンとして観ている。第8週「シロツメクサ」の中で、東京大学の植物学教室に出入りを許された主人公の万太郎が教室の人々から仲間外れにされる。それを見抜いていた長屋の差配・りんさんが万太郎を励ますために言った言葉。

仲間に入れてもらえないのかい?他所からくる人間は、怖いよ。ましてや、玄関からではなく縁側からやってきたんだから。泥棒なのか。お隣さんか。福の神かすらわからない。わからないものは、気味悪いよ。

江口りん 「らんまん」第8週「シロツメクサ」から

そして、それを受けての私のツイート。

詳しく書いていくと、大学を卒業して数か月後、母に「祖父母の面倒をみてほしい」と懇願され、ひとり父の実家のある田舎(青森県内陸部の地方都市)に移り住んだ。父の実家があるとはいえ、よく知らないわからない土地で、いきなり暮らすことになった。

とくに、仕事をするようになった時、見ず知らずの他の人と一緒に働き始める時から、私はどうやら邪魔者扱いというかエイリアンをみるような目線で見られていたようだ。今思えば、近所づきあいにしろ、職場にしろ、すでに固定された形成されたコミュニティにいきなり飛び込んできた私を心の底から暖かく迎えてくれるわけでもなく、邪魔くさく思ってたんだろうなあ。

万太郎は、持ち前の天真爛漫な態度と行動でグイグイ分け入ったことで、仲間を作ることができた。一方私はというと、あまり積極的に接しなかったため仕事のノウハウを教えてもらえず、ずっと孤立状態が続き、結局そこから離れるということを繰り返した。相手が悪かったのか、自分が悪かったのか今でもよくわからない。でも、なんか悔しかった。初めて会った人とすぐに仲良くなれるだろうと踏んでいた私の考えが甘かった。そして、私は仕事でも一人でコツコツとできる仕事を求めるようになっていく。りんさんの言ったことは、そんな人間の心理を見事に衝いていた。

朝ドラ「らんまん」は、他にもそういったセリフが次々と出てくる。人間と心の動きを丁寧に描いているのが良い。久々の快作にして良作である。万太郎と寿恵子がこれからどうなっていくのかはもちろんのこと、植物学教室の中でうまくやっていけるのかなど、気になることが多く、これからも見逃せない。

この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?