一度も見たことのない惑星キャザニーから
降ってきた酸性の雨は地球に
損益分岐点が見える花を咲かせる。
その花の上で蛇のようになって
宇宙ソフトクリームを食す。
時間と空間を溶かす味がする。
地上の人々は日々に追われ
金のなる木におんぶにだっこで
ソフトクリームの存在を知らない様子。
宇宙ソフトクリームによる効能で
未来と過去を同時体験する。
色と形を持った狂気のバナナサウンドが
幻聴として聴こえてくる。
それを聴けば次の次元へと誘われることが
俺の背中の業務マニュアルに書いてあると
残り人生一週間の老人問題児が言った。
この日常的神秘体験は
赤いゴミ収集車を提供するだけでなく
まろやかな悲鳴が聞こえる人生を
より豊かに淫らにしてくれる。
ソフトクリーム音楽の羅列の先には
見えない糸が無数に
繋がっているように見えるが
そこに顔を当てると実際は巨大な蜘蛛の巣。
そこの主である巨大な蜘蛛との距離は
およそ3センチメートル。
永遠の調和について蜘蛛に説教された後
そのエイリアン的見解を
脳内から払拭するために
コロッケにかかる瞬間のソースを
夢想することを巨大蜘蛛に提言し
炭酸酩酊麦汁で乾杯した。