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食う寝る遊ぶとイズムの交差点

ついに来てしまった。Wagumafia ザ・カツレツ・サンドウィッチ。

前からホリエモンのYouTubeでWagumafiaの名前は知っていたが、代表の浜田さんのnoteを前から読んでいて、短いながらも熱量に溢れたそのコンセプトが気になっていた。

頼んだのは尾崎牛のサンド。一口サイズのサンドが4切れ。お値段はこれで16500円。持ってくる際に「写真を撮りますか?」と聞かれ、店内に響き渡るぐらいの大声でお決まりの「いってらっしゃい!」のセリフと決めポーズ。

エンタメ要素を飲食に取り入れるのは、ホストのシャンパンコールに通じるものがある。一口含むと溶けるような尾崎牛の食感。コーヒーはバリスタ選手権で優勝した方がプロデュースしたものらしい。

全てにおいて一級品のクオリティを追い求めるWagumafiaの哲学が貫かれているなと思った。

生憎の雨だったが、窓の外には満開の桜が咲き誇っている。

食べ終わってコーヒーを飲みながら過ごしていると、店員さんに声をかけられた。よければどうぞ、と言われて手渡されたのは以前にファミマとのコラボで売られていたULTRA GARLICだった。市販では売られていないその品をくれるという。

袋もつけてくれたのだが、まるでブランドものの包装と見紛うシンプルなデザイン。Wagumafiaがブランドビジネスだという所以がわかったような気がした。感動を生み出すためのポジティブなサプライズが散りばめられている。

キラキラした目をしながら出て、お店の名前の入った袋を持って歩くのもまた、一種の宣伝なのである。

分量的にお腹が減るかなと思ったのだが、全くそんなことはなかった。たしかに、尾崎牛を100グラムほど食べたわけだから、コース料理のメインディッシュを平らげた計算だ。

1コース分の満足度を一皿に。普段の生活も、こんな密度の濃い時間を過ごせればなぁ、なんて思わされるひとときだった。

しかし、計算外なことがひとつ。コーヒーの満足度が高すぎて、この後予定していたカフェの開拓をする気にならない。出されたのはシンプルなブラックコーヒー1杯だけ。机にはミルクもコーヒーも備え付けられていない。

頼めばもらえたのかもしれないが、気にせず黙々と飲んでしまった。値段によって錯覚が起きているかなど、もはや些細な問題である。

既に世界的な和牛ブランドとして名前が轟いているようだが、何事も突き抜けるためには、狂気に近い熱量と緻密な計算が不可欠だ。

自分はまだまだ仕事でここまでやれてないなぁ、なんて内省を促された中目黒の昼下がりだった。

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