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上級者向けの嗜好品たちと、手ぶらでも刺さるプレゼン

上級者向けの嗜好品たち

将棋を軸にした同好の士と集まって酒を酌み交わすことに。それぞれお酒を持ち込み、さまざまな種類が並ぶことに。

私は飲みやすさを重視してソムリエの人に「予算は4000円ほどで甘口で」とオーダーした。紹介してくれたのがこちらのワイン。お値段は2500円ほどで「ご希望より安くなってしまいますが・・・」と申し訳なさそうに言われた(もしかして、希望より安すぎることに怒るお客さんがいるのだろうか)。

市販では売っておらず、なんと鰻屋さんが卸しているワインだそうだ。飲んでみると確かに渋みがなく、全く抵抗感なく飲める。ワインのように趣味でどっぷりはまり込む嗜好品は、仕入れルートの開拓もお店の実力の一つなのだろう。

市販で売っていないワインをどうやって探り当てたのか、さらにそれを卸してもらえるまでの信頼関係をどうやって築いたのか。こういった部分こそがAIに代替できない要素なんだろうなと思う。

持ち込まれたお酒の中に、至って珍しいウイスキーが一つ。味が極めて濃厚で、氷を溶かしても溶かしてもメチャクチャ濃い。こりゃあ相当お酒を飲み慣れて普通の味では満足できない人が最後に辿り着く味だなと思った。

どんなに素晴らしいものでも、繰り返し味わえば人はいつか飽きる。それでどんどん趣味嗜好が先鋭化して、一般受けするものでは満足できなくなるのだ。

高価格帯のサービスや商品を作るということは、この発達しまくった要求水準を満たすということなのだ。

お酒の場と手ぶらのプレゼン

お酒を飲んで将棋を指して談笑していると、思わぬところから新しい将棋企画の話が持ち上がってきた。二つ返事で参加の返事をする。

リラックスしたお酒の席で、相手のニーズが見えた状態で持ちかけられる話というのは、堅苦しい場で行われる発表よりも遥かに相手に刺さりやすい。

こうしてみると、ホリエモンが言っていた「綺麗な資料を作って仕事した気になっている人たち」という話は真実だなと思う。本当に刺さるプレゼン内容であれば、極端にいえば手ぶらで話しても首を縦に振らせることができるのだ。

会社の会議室という場は資料なしのプレゼンを許さないのである。ChatGPTの登場により資料作りのショートカットが可能になれば、"刺さる内容の熟成"によりたくさんの時間をかけることができる。

同時にこれまで忙しいふりをしていた人が炙り出されて来るので、この変化はもはや不可逆と言えるだろう。

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