見出し画像

光の教会

光の教会。

安藤忠雄さんが建てた建築の1つであり、私が建築と出会うきっかけになった一つである。

光の教会は京都寄りの大阪のまち茨木市の住宅街の中にある。そして私の祖父母の家はこの住宅街にある。私は幼い頃、祖父母の家に行くたびに本当に閑静な住宅街で見かけるスーツケースを引いた大人や、外国人に違和感を覚えていた。小学生の夏休みのある日祖母に「あの人たちはどこら辺に住んでる人なの?」と聞くと、祖母は「観光客やで。安藤さんの建物を見にきてはるんやで。いってみよか。」と連れて行ってくれた。途中で八百屋さんによって貰ったきゅうりをかじりながら、歩いて見に行ったことを鮮明に覚えている。中には入ることが出来なかったけれど、木々の間にコンクリートの箱が見えて、全体は見えないのにそこには外国人観光客もいて、とにかく不思議な体験だった。

祖母は建築を見ながら、
「この建物は教会でな、安藤忠雄さんという有名な建築家のお人が建ててくださった有名な建築なんやで。あんたのお母さんもおじさんも小さい頃は礼拝に参加してたんやで。」と教えてくれた。

この日、私は建築家という言葉を覚えたのだと今思う。そして心のどこかで「建築家ええな〜。」と思うようになっていった大きな日である。

祖父母の家に帰ってすぐに、母に中はどうなっているのか、建築家知ってるかなんて質問攻めをしたそうだ。

今大学の課題レポートで光の教会について書いていて、
この日の出来事をしみじみ思い出した。ええ体験したと。
あの建築をきゅうりかじりながら見に行くなんて、今はもう出来ない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?