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落ち込むことのススメ。

「落ち込むこともあるけれど、私は元気です」
これは魔女の宅急便のキキの言葉。私の好きな言葉だ。

この頃の私は落ち込む時は、とことん落ち込むようにしている。そうしないと、心がどんどん小さくなってゆくような気がする。だから私は、心のままに任せてみるようにしているのだ。今さらだけど「ええい、落ち込むな!がんばれ自分!」なんて無理することは、まったくもって逆効果。そんなこと、みんなもうわかっている。わかっているけど、なかなか出来ない。特にマジメな人にはそう言えるだろう。

時にはちゃんと落ち込むことも必要だ。

夜になったら眠るように、どうしようもなく悲しくなったら、ちゃんと落ち込むことが自然なんだ。そういう時って、心とかなり近づいているのだと思う。それは人として、心と見つめ合うとても大切な時間だと思う。

笑いたくもないのに笑顔を作ったり、泣きたいのに強がってみたり、どこかウソばかりのこの日常では、心はまるで雲に隠れたお月さまみたいになってしまう。本当はちゃんと輝いているのに、暗くて何も見えないみたいな。だからそんな人は「自分は最低な人間なんだ」なんて、つまらない勘違いをしてしまうんだろう。

今の私はとても晴れ晴れとした気分でいる。まるで晴れた夜空に浮かぶ、まあるいお月さまを見ているような気分だ。思いっきり泣いた後って、気持ちいいくらいにとてもスッキリする。(たしかストレスを発散する効果があるとか。)あぁ、よく泣いたなぁって感じで。それはよく眠った後に目覚めた時と、たぶん同じじゃないかと思う。

眠りたいから眠る。泣きたいから泣く。そんな簡単なことを忘れてる。今の大人って、いろんな社会の規制に縛られて、みんなたぶん、知らないうちに、まじめすぎてしまうんだ。だからそれくらい単純なほうが、今の世の中、いいのだと思う。

いつまでも泣けないことほうが、泣くよりよっぽど苦しいもの。「無理しちゃダメだ、がんばりすぎちゃダメだ、ええい、泣いてしまえ!」くらいの気持ちが、きっと、ちょうどいいのだ。

「涙は心の汗だ!」なんて青春ドラマが、かなり昔にあったけど、私はこの言葉も密かに好きだ。(今の若い人には何のこっちゃだね。でも逆に新鮮だったりして。)

”密かに”というところがかなりポイントだけど。だって、もしも実際に「涙は心の汗だ!」なんて人に言ったら「お前、なに言ってんだ?」と白い目で見られそうだもの。

でも、私は好きだ。密かにだけど。

心の汗をもっと流そう!
もっとたくさん泣いてしまおう!

そうすれば、心に溜まった無駄なものが、汗とともに流れてゆくはず。体だけでなく、心にも汗がきっと必要なんだ。

「落ち込むこともあるけれど、私は元気です」

こんなセリフがさらりと言える私でありたいと思う。そしてそれが、私なりの密かにすすめたい「落ち込むことのススメ」だ。

最後まで読んで下さってありがとうございます。大切なあなたの時間を使って共有できたこのひとときを、心から感謝いたします。 青木詠一