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Cikna

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記事一覧

スーパーな日々①

「そのままでいいですよ」
 お客様がペットボトルをサッカー台に置いた。
 かしこまりましたと言いながら、わたしは半分口の開いたレジ袋を素早く台の下にしまうと、赤いレーダーが出ている機械に部分に商品のバーコード部分をかざし、テープをバーコードの上にぺたっと貼った。

「89円です」

 お客様は100円をキャッシャーに置いて、私は機械にその100円を入れて、機械から出てきた11円をレシートとともにお

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しろという猫がいた(3歳の記憶)

実際は、3歳なのか定かではないけど、保育園に入る前で記憶があるときなので、もう3歳でいいか、という適切な判断だ。

しろ、という名前で、彼か彼女かも正直自信がない。たぶんメスだと思う。だからここでは彼女にする。

しろはシャム寄りの雑種の猫だった。だから全身真っ白な猫というわけではない。
ぼくはしろが大好きだった。それはかわいいからだけじゃなくて、しろがぼくを好きだったからだ。
しろはぼくの後をい

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短歌①「濡れた若気」

死ねなんて言わないつもり何度でも思いはするの赤い教科書

肩に頭を預ける女子にその場限りの付き合いだぞと

マドンナが座っていました 僕の席着席するなり椅子のぬるさよ

鼻で笑う 寒い言葉を叫ぶヒゲ そんな熱さが羨ましいよ

振り絞る勇気よりずっと 溢れ出る自衛 望まぬ自傷 

切ないマンガ・本(1)

夏休み前、小学6年生のなつるは、同じクラスの鈴村さんに、夜、ばったり会ってしまう。そこからなつるは鈴村さんと距離をちぢめていくが、彼女が抱えていた秘密も知ることになる。

秋を通り過ぎ、冬に近づいている季節ですが、ぼくはこの表紙を見て「絶対にいい話だろうなー」と思って買いました。

『神様がうそをつく。』(尾崎かおり)

ここで一話目読めます。

社会的には恵まれていない子どもたちが、懸命に、楽し

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