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短編小説『改めまして、初恋』

 わたしに孫ができたことにさえ、感慨深いものがあったけれど、孫と恋愛の話をするなんて想像もしませんでした。
 社会人になった孫が、東京からわざわざ来ています。何歳になっても孫はかわいいもので、何歳であろうと、女性が2人集まれば恋愛の話が始まります。
「おばあちゃんきれいになった? もしかして、恋してるの?」
 と、年寄りをからかう孫に恥じらいを覚えつつ、思い出している恋がありました。

 わたしが初めて恋をしたときのことです。
 といってもそれはまだ一昨日の話。

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