介護士が行う看取り介護の課題

病院で看護師をしているのであれば看取りは何度か経験したことがあるだろう。だが介護士で今まで看取りをしたことがない場合、それを受け入れることができるだろうかと不安に感じ、介護ができなくなるのではと思うことがあるかもしれない。介護士が看取り介護を行うにあたり、多くの不安を抱えてしまうのが課題とも言える。

看取り介護をするにあたっては、通常の介護ではしないことをする場合がある。通常ならお風呂に入れないような状態(バイタルの数値が良くないなど)でも入浴介助をしたり、飲み込む力が衰えた人に、好きなものを少しだけ食べさせたりといったことだ。

こんなことをして大丈夫なのだろうかと思うことがあるかもしれない。しかし、看取り介護では安全かどうかよりも本人や家族が満足しているかどうかなのだ。終末期を迎えた人は改善や回復はほぼ見込めない。このような場合は寄り添うこと、苦痛を取り除くことが看取り介護になるのだ。介護士はこういった視点の違いを理解し、看取り介護ならではの視点を習得することで不安を解消することができる。

また、夜勤で職員が少ない時に何かあったらどうしようと不安になることもあるだろう。しかし介護はチームワークで行うことを忘れてはいけない。看護職やその他の職員が一丸となって看取りをすることが大切なのだ。

そして、利用者が亡くなったことで担当の介護士は自分を責めてしまうことがある。看取り後の振り返りは必ず行うが、この時に改善点や不安なこと、辛かったこと、良かったことを共有することで介護士の心のケアもできるのだ。

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