「あなたは何者ですか？」
無邪気にそう　私に尋ねる人がいる
そんな時　私はいつも
答えるべき言葉が見つからない

私は　

女性であり
二児の母であり
会社員であり
・・・
そんなことは
特徴や肩書き。
私の本質ではなく

私は

絵や文章をかくのが好きで
だけど人より少し生きるのが下手で
それでも真面目で一生懸命　
人生を少しだけ良くしたいと
もがいている　ただの一人

あぁ　
それもまた
嗜好や想いと行動であって
やはりおそらく　私の本質ではないのだろう

コギト　エルゴ　スム

私は
答えを探すのをやめた

私は私でしかないから
何者か知りたいのであれば
対話するしか　方法はない

あなたが私に聞きたい内容は
社会的地位の事でしょうか　
肩書の事でしょうか　
それとも、特徴の事でしょうか
それ以外の答えは　今のところ
あいにく持ち合わせていないのです

問いの背景を　明確にしてもらえれば
答えられるものもあるかもしれないけれど。

私は私で
何者でもない
そして
あなたはあなたで
同じく何者でもないでしょう

ただ

同じものを見ても
感じることは　きっと　わたしとあなたは違う
何を想うか、その内側にあるものは。
その違いこそが　
あなたの知りたい問いの「答え」につながるものなのかもしれない

社会的地位でもなく、
単純な特徴でも
行動でも
嗜好でもなく
どこまでも広がりゆく　この心の感じ方を
端的に一言で表せる言葉があればいいのだけれど

「あなたは何者ですか？」

私は答えも理由も、探すのをやめた
それは　あきらめではなくて
何者でもない私のままで　良いと思っている
もはや　何者になる必要もない
いつかはなくなる
肩書きという名の勲章を
必死になって集める必要もない

全部そぎ落として
最後に残るもの　
身体が無くなっても残るもの
きっとそれこそが　
私の本質
等身大の私自身　
何を感じるか　何を想うか　
私は何者でもないけれど
無限の宇宙を内在する　

この心のまま
何者でもない私のまま

もしあなたが、何者かを問うのであれば
わたしの心に　触れて下さい　
それこそが、答えだ

あなたも同じこと

あなたも宇宙を内在する　
かけがえのない一人