報われない苦しみは嫉妬に変わる①過去編

幸せな人たちを素直に認められない。
絶対何か欠陥があるはずだと粗を探す。
おかしい。
こんなににこにこしてるだけの人たちがわたしよりも幸せだなんて。

わたしは未だにこの思想から抜け出し切れていない。

わたしはあまり楽しいことだけをして成功したという経験を持っていない。
長女で張り切り過ぎた親と、もともと娯楽に乏しい田舎という環境下で育ったので、とにかく苦労しないと人は報われない、と思い込んでいた。

遊ばずに、塾も行かずに、まだ幼い妹と兼用の子供部屋で必死に缶詰になって勉強した高校時代。
第2希望くらいの難関国公立大に無事合格した。
だけど、第1希望には届かず、すっきりとはしなかった。

いざ大学に入ってみれば、もっと青春を謳歌して同じ学部に入った同級生がゴロゴロといた。
それなりの街には、もともと頭のいい人だけが入れて、イベントも充実、自由な校風、みたいな高校があるらしい。
それが東京とかだと、幼い頃から触れる文化が違う。

勝てない、と思った。
そこからわたしはものすごくダメになってしまった。

東京で私立の学校に通っていた子への嫉妬、大事に大事に親が手伝ってくれていた子への嫉妬。
大学の学問とは、わたしが田舎で苦労してきたプロセスなんて、酌量の余地に入らない世界なのだ。
正直わたしと同じ環境でももっと優秀な人はすぐ隣にいるのだ。

感情を整理できなかった18歳のわたしは、周りを認められないけれど認めなくてはいけない気がして、無理やり周りを認めようとした。
その時に取った方法は自分をひたすら否定して貶めることだった。

だって幼稚園児の頃、わたしが自分よりできる子に敵対心を持ったらお母さんは「○○ちゃんは負けてもあなたのことを褒めたでしょ。あんな不機嫌になっちゃダメ」って言ったもんね。
不機嫌になるわたしが悪いんだ。
正しいのはわたしより実力のある周りなんだ、って思った。

わたしの暗い思想は勉強面だけでなく、対人関係にも及んだ。

幸せそうなカップルが許せなかった。
たまたまそいつらがわたしに実害を与えたので、必要以上にわたしはそいつらの粗探しをした。
(そこまでこだわることはなかったと思うが、未だに彼らに非がないとは思わない)
こんな不完全な人間が幸せになるなんて世の中はおかしい。
こいつらにはバチが当たるべきだ、と思った。

しかし、わたしの予想に反してその二人はゴールインした。

一方のわたしは、親に愛されなかった男とばかり、振り回して振り回されてぼろぼろになって終わってしまう。

もうこれはなんなんだ。
ほんとにおかしい。間違っている。
もやもやとした思いはなかなか消えてくれない。

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