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実際に弾いている!演奏シーンがとにかくすごい。必見・必聴の音楽映画6選

『戦場のピアニスト』(監督:ロマン・ポランスキー、2002年)

中学生の時に映画館で観て、色々な意味で衝撃を受けた名作。ポーランドを代表する作曲家であり、生涯亡命を余儀なくされたショパンの美しいピアノ音楽が、ポーランドのユダヤ人が置かれた境遇と重なり、映画全体を印象づける。

物語のクライマックスで弾かれる命を懸けたバラード第1番はもちろん(モデルとなったピアニストのシュピルマンは、実際には「遺作」のプレリュードを弾いたらしい)、エンディングに流れるアンダンテ・スピアナートは必聴(演奏はポーランド出身のショパン弾き、ヤノシュ・オレイニチャク)。

『4分間のピアニスト』(監督:クリス・クラウス、2006年)

女性刑務所でピアノを教える老教師と素行の悪い受刑者の二つの才能が、時には暴力的にぶつかり合いながら、言葉にならない生きづらさを音楽に昇華させていく。ドイツ映画らしい、ダークで身を刻むような痛みの描写が沢山。受刑者役を演じたヘルツシュプルングは、オーディションを受けたときは楽譜を読めなかったそうで、猛特訓の末、手のインサート以外の場面は俳優本人が演奏したのだとか。役者ならではの身のこなしがカッコいい。

脱獄の末、4分間だけ許されたステージで披露する、シューマンの「ピアノ協奏曲」を基にした現代アレンジの曲は、日本人の木吉佐和美さんという方が演奏しているそうです。

『スウィングガールズ』(監督:矢口史靖、2004年)

方言で部活やってるだけでかわいい。吹奏楽&ビッグバンドブームに追い風をもたらしたおなじみの映画のラストシーンは、楽器未経験の主要キャストを含め、半年間の特訓を経て実際に観客を入れた生演奏によるもの。気合がすごい!

『セッション』(監督:ディミアン・チャゼル、2014年)

「スパイダーマン」の宿敵役などで知られるJ・K・シモンズが、少しのミスも許さない冷徹な鬼教授役を熱演。まじで怖い。楽しくない。ドラム学科の新入生を演じたマイルズ・テラーは、実際に手に血を流しながら特訓をしたそうです。キャー!

そういう極限を超えた先にある表現への理想は、分からなくもない。でも、痛い!

『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』(監督:バーナード・ローズ、2013年)

その音を聴いた人は悪魔に取りつかれると言われたヴァイオリンの狂才、ニコロ・パガニーニの全盛期と没落を描き出す、ある種のロードムービー。演奏上手いなぁ、ってそのはず、パガニーニを演じるデイヴィド・ギャレットさんは、クラシックからクロスオーバーまでこなす超プロ・ヴァイオリニスト!

酒場で披露する「ヴェニスの謝肉祭」は、コンサート中1本ずつ弦が切れていき(テクニックを強調するため、細工した弦を自分で切ったという説もある)、G線だけで弾いたという逸話に基づいた、超絶クールな演出。

『マイ・バッハ 不屈のピアニスト』(監督:マウロ・リマ、2017年)

20世紀最高のバッハ弾きと称されるブラジルのピアニスト、ジョアン・カルロス・マルティンスの半生をドキュメンタリー風に追った作品。夜遊びしてるのに、超絶技巧と言われるヒナステラの「ピアノ協奏曲」を3週間で暗譜、初演してしまう天才ぶりが気持ちいい。だが、こちらの作品も出血多量注意。痛くても、多少無理しても、演奏していたいと思うエネルギーはどこから来るんだろう。

ヒナステラの初演動画を見つけた。超絶。手、大きすぎでは。

作中の演奏シーンはさすがに吹き替えですが、エンディングでは、可動性が残された3本の指で演奏する老齢のご本人が登場。それがまた、3本の指で弾いているとは思えないパワフルな演奏なのですが、最近テクノロジーの力のおかげで、齢82歳にしてなんと9本の指まで奏力を回復されたそうです👏

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