見出し画像

アロマとお香~クリスマス・三賢人の贈り物~

サンタクロースは来ましたでしょうか。
我が家では小学生までの子どもにはサンタがやってくることになっています。そのためにはサンタさんに手紙を書く必要があります。
悩みに悩む次男。そろそろサンタさんに出さないと届かないから!!と焦る親。
焦る親。(発注が、配達が・・・!!)
2日前ようやく手紙を書き上げる次男。
贈る前に見せてもらったら、漢字クイズがついていた。いいクイズが出来上がり、満足する次男。
脱力する親。
みなさんの協力のおかげて息子の手元にはクリスマスの朝、ちゃんと枕元にプレゼントが届きましたとさ。

さて、クリスマスと言えばイエス・キリストの生誕祭でもあります。『新約聖書』「マタイによる福音書」によると、東方から救世主を探しに来た三人の博士が宝物をささげますね。その宝物は一体なんだったのかといいますとうち、一つは黄金です。あとの二つは乳香と没薬。
乳香というのは、樹脂香料のことで、木に切れ込みを入れて採取しています。フランキンセンス、もしくはオリバナムという名前で知られています。ちょっと苦みのある芳香が特徴です。色が乳白色のため、乳香と名付けられています。ヨーロッパでは崇拝の時に使われる香料でした。イエスが神から遣わされたものであること、聖なるものであることをあらわします。
一方、没薬もまた別種のゴム質の樹脂香料です。ミルラともいわれています。古代エジプトではミイラ制作の際、防腐剤、または芳香材として使われていました。そこから、死と再生の象徴であることもあらわしています。
乳香と没薬、どちらも黄金に比する宝物と扱われていたこともわかります。

香料は英語でperfumeといいますが、もとはラテン語のから来ていますが、この意味は「煙によって」という意味になります。古代エジプトでは、一日に2回神に香をたき、その煙をささげていたので、そういった習慣から生まれた言葉なのでしょう。
クレオパトラはバラを敷き詰めた風呂に入っていたと言われていましたが、
ヨーロッパの人々はバラをはじめユリ、水仙、ヒヤシンス、アイリスなどの
花をこよなく愛し、その香りをどうにかして常に身にまとうことができないかと考えていました。けれども花に含まれる香料はとても微量で変化しやすく、香りを長持ちさせることは難しかったと思われます。そこでローマ人などは、花や草のエキスをオリーブオイルなどに混ぜて風味を味わっていました。けれどもそれはなかなかそのものの香りとは違っていました。
そこででてきたのが、蒸留です。蒸留することで、花の精油を抽出することに成功しました。(これを突き詰めたのが錬金術師たちであり、アロマテラピーとして芳香療法をつくったのは修道院なんですね)
精油と同じく製法の確立したアルコール、そして麝香鹿や麝香猫からとった動物性の香料を混ぜ合わせることで香水が生まれました。

いわゆるアロマはこの植物を蒸留することで生じる精油のことをいいます。アロマオイル、エッセンシャルオイルといったものは、こういった先人の執念、じゃなかった努力によって作られたものです。

さて、ではお香はどこからできたのでしょうか。
東洋とくにインドから東アジアでは香りは仏教と一緒に入ってきました。仏教は行政改革と政治に利用され、それと一緒に焼香をする、という習慣が日本にも入ってきました。焼香で使う線香などの宗教行事で使う供香、部屋の空気を清め清浄化する空香、こういったものは大陸から知識や仏具とともに輸入されるようになりました。日本に調香を教えたのは鑑真和上です。ヨーロッパでは花を蒸留したり、絞ったり、アルコール漬けにしたりして香りを引き出し精油とすることで抽出しましたが、日本では(アジアでは)花の香りを引き出すのではなく、香木を粉にして調香することで香りを引き出すようになりました。香木は熱を与えることで香りが発生されます。ですから、現在でも香木を粉にしたり刻む作業には機械が入らないといいます。(機械を熱が発生してしまい、木の香りを損なうことになるからです)
練香は「湿っている」ことが必要で、沈香、白檀などの香木を粉にしたもの、そのほかに香料をブレントし、それを蜜や梅で練る。かつては甘葛と呼ばれるツル植物の汁を使って伸ばしていましたが、現在では蜂蜜を溶かして梅を混ぜたもの、そこにカビを防止するため炭を混ぜて作成されます。源氏物語には作成した練香を壺に籠めて川岸の地面に埋めていました。熟成をさせていたと考えられています。

同じように香りを感じ、楽しむ心を持ち、香りに自分の気持ちを載せて天いささげたりしていた人間でも洋の東西でここまで変化して発展してきたことは面白いです。アロマの香りを感じて癒されたり、疲れが取れたりする東洋人がいるように、線香の煙に心が慰められたり、練香の香りにいやされる西洋人がいます。様々な香りを東西問わず取り入れていける現在、さらに香りを楽しむことができると感じると、うきうきしますね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?