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信号は自由を守る戦いだ。

信号が青になる。通りを渡る。当たり前のことだ。ただ動き出しを早くしたいのが私。

人が止まっている時に一人動き出している。優越感がある。ちょうど青に変わる瞬間に車道に足を着くとさらに気持ちいい。ずっとこう思っていたが別の理由があることに気がついた。

普通、信号が青になったら歩き出す。いや、歩き出させられている。信号に従わせられている。それに抗い、少しでも自由意志を持っていたい。これは自由を守る戦いなのだ。ただし負け戦が確定している。いくら抗っても結局は、信号の色がすべてを決するため、信号の優位はゆるがない。それでも少しでも抗いたいのだ。ところが、フランス人は負け戦ではないらしい。赤でも車が来なければ渡るそうだ。さすがは、王制を妥当した国だ。

このひとりよがりな戦いには予測が不可欠だ。横断歩道までの距離およそ10步分のところで信号待ちをする。車道の信号をそれとなく見る。黄色だ。赤になっても歩道の信号が青になるまでには2-3秒ある。今から動いても良いだろう。よし、行こう!動き始める。横断歩道との距離が詰まる。あれ、まだ赤?大丈夫か?車道の信号を見ると『→』。やられた。止まるしかない。負けだ、恥ずかしい。 自由を守る戦いには犠牲がつきものだ。

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