1%を、すくいとっていく。
風が冷たい、痛い。
景色は、ブルーグレー。
寒いのはわかっているのだけれど、やっとひと息ついた夕方に、今日も図書館まで歩く。
車で走るだけじゃあ、世界の小さな変化には気付けない。
ほら、こんなに寒いのに、咲いている。
なずなの白、ヒメオドリコソウのピンク、オオイヌノフグリの青。
雪にいちど埋もれたせいか、みんな小さくきゅっと縮こまっている。
目を凝らさないと見過ごしそうだけど、確かにそこに。
いつもの小道の脇に、梅が咲いていた。
この木が梅の木だということすら、すっかり忘れていたなんて。
長男の最後のサッカーの試合が、雪の影響でなくなってしまった。
まさかのことで、楽しみにしていた私たちの気持ちは、スパンと切られて宙吊りで、まだゆらゆらしたままだ。
でも、彼のために、ちゃんとみんなでこのチーム最後の試合をするために、とコーチたちが必ずなんとかしましょう!と言ってくれている。
本当に、最後まで感謝しかない。
でも、感謝して、感謝して、みんなの気持ちを素直に受け取ろうと思っている。
そんな急ぐ必要のなくなった今朝、いつものように日記帳をひらく。
4年前の今日のページに書かれた言葉を読んで、あぁそんなことあった…とまだ小さかったあのころの2人を思い出す。
思わず、ねぇねぇ聞いて、と、そこにいた兄弟にその内容を読んで聞かせる。
それから、
母はずっと君たちの味方だからね、これからもずっと忘れないでね、と付け加える。
もちろんいつも思っているけれど、なかなか口に出して言うタイミングは、なかったりする。
2人とも、ちょっとふざけた大きな返事をしていた。
わかった、と。
*
私は、いろんなことに自信がない。
時々ここでも心のうちを吐露してしまうけれど、いい家庭が築けているとも、子育てがうまくいっているとも、外での人間関係がうまく築けているとも、到底思えない。
それこそ、心の余裕がないときには、他人の素敵なエピソードを目にすると、嫉妬したり落ち込んだりする。
でも私だって正直なところ……読んだ人からいいな、と思ってもらえるだろうな、と思いながら、こうやってあるときの、あるひとコマをここに書く。
極端に言うと、納得のいくようなことが100%中1%しかなかったとしても、そこをすくいとって書いているようなもの。
それが、未来の小さな勇気につながっていくことがある。
今日だって、まさにそう。
あぁ、書いておいてよかった、と思う。
だから、自信のない自分のほんの1%のいいな、と思うことでもいいので、書き留めておくといいものです。
書く、ってやっぱり大事だ。
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