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よく聞け、そこの馬鹿ヤンキー共



今日という今日は、言ってやる。
お前たち馬鹿なヤンキーが大嫌いだ。

お前らは、自然発生した『のほほん』という、人畜無害で素敵過ぎる空気を、一瞬にして破壊する。

なぜお前たちは、恐怖で空間を支配しようとするのだ。



こじんまりとした銭湯。アットホームで温かい空気。10数名の客が、それぞれの仲間と来ている。他の客が迷惑しない程度のボリューム、下品過ぎず、ほどよくつまらない会話、気兼ねないゆったりとした。全てが『チル』な世界。

僕も友人と、この後食べに行く、ラーメンの話しをしている。銭湯で空っぽになった体に入れるのは、濃厚煮干し一択である。

ぬる目の湯加減が、この世界を完璧に仕上げている。

至高の時間である。



そこに、2人、入って来た。

ガニ股、汚ねえ髪色、鍛えたわけではなくストリートで着いた筋肉量、謎の傷跡。確定でヤンキーである。

奴らが入って来た途端、銭湯の中に広がる空気が一変した。

全員、何も喋らなくなってしまった。

奴らは、浴槽の真ん中に、浸かり始めた。

明らかに空気が冷えた。奴らは、申し訳なさそうにはしていないようだ。湯船のヘリに掛ける肘の角度が物語っている。むしろ、支配した事に、満足気に見える。

全員が、ヤンキーに気を遣っている。ヤンキー共はお構いなし。頭の悪そうなボリュームで、今しがた食べてきた家系ラーメンの話をしている。漢たる者、大量にニンニクを入れるべきだそうだ。

クソ。お前らを許さない。

お前たちは何なんだ。昔からそうだ。お前たちは『最悪、ボコせば勝てる』という思想しそうを持っている。

だから、TPOをわきまえず、何処でも闘争心を剥き出しにし、弱者を威圧し、恐怖で空気を支配する。

闘争心には、適材適所があるだろうに。

今は足を洗い、子煩悩に生きている元馬鹿ヤンキーは、まだ許す。味方にいるとすごく心強いからである。

だが、お前らみたいな、現役のヤンキーである事に味を占めている勘違いしたヤンキーを、俺は許さない。

俺たちの、そしておじさん達の『チル』を返せ!



黙るおじさん達も、おじさん達だ。なぜつまらない話を止めるのだ。

このような場合、僕は、黙りたくない。
いつもより饒舌に話す。

一緒に来ている友人も、なんだか静かにしたそうだが、僕は黙りたく無い。

なぜ、コチラが折れなければ、ならないのだ。

ヤンキーが大嫌いだが、アイツらの圧に負けて、楽しい空間を自ら諦める自分は、もっと嫌いだ。

友人は迷惑そうにしているが、関係ない。話しかけまくる。ヤンキーのクソみたいな話を掻き消す。そして、ゴミのようなノリを銭湯に持ち込んだ事を、後悔させるくらい盛り上げる。



お前たちヤンキーのせいで、社会の空気から姿を消す事しかできなかった層がいる。

いつかその層を引き連れて、お前に仕返しに行くぞ。

ヤンキーでいる事を、恥ずかしいと感じる世の中を作ってやる。



ここはnote。ここは聖域。
お前たち馬鹿は、活字を読めない。

来れるもんなら来てみろ、バーカ!バーカ!うんこ!


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