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#136 如月の本

2月が終わりを迎えると、2月29日生まれというのに憧れていたことを思い出します。それだけでもう特別な雰囲気醸し出されるの、かっこよくてずるいよね。

ちなみに左利きのAB型というのにも憧れます。

そんな右利きのA型の私が今月読みきった本はこちら。


ノルウェイの森 下

村上春樹の小説3冊目。3冊読んで、どこまでいってもどうしてもっと前から読んでいなかったんだと思いすぎるくらいにはとてつもなく表現方法や描写がすき。

3冊とも、レコードだったりクラシックだったり村上春樹のエッセイ要素も盛り込まれている。

ノルウェイの森。上下で4人が亡くなった。それも3/4は自殺だ。

それなのに暗くて重苦しくならず(いやとっても苦しいけれど)ただここに居なくなっただけ、とでもいうような時の流れを感じさせてくる。

良い人、欠点なんてどこにもないような人、と認識していても、私もその人の良い面だけを見せてもらってるだけなのかもな、と思ったりした。

ワタナベくんと緑の掛け合いが中でも1番すきだった。緑は感情表現が激しい(よく言えば豊か)だが、好奇心旺盛でずっと喋っていて、ワタナベの落ち着きと、たまの冗談がスパイスのようで、

2人がまるで実在する人物かのように、喋っているところが容易く想像ができた。

筋が通らなくてどっちつかずなことなんてこの世にたくさんあるんだから自分で迷って決めなさい。どっちも正しいわよ。というようなレイコさんのお手紙は効いた。ひとつひとつの言葉選びが本当に繊細。


村上春樹の本を読んでいると、人との繋がりで苦しんで人との繋がりで喜ぶということが、人間の生態のようなものだという感じがするというか

生物の勉強みたいな気持ちにすらなってくるというか。

気持ちが動いたり混ざり合う部分が、おそろしいほど鮮明に、そして身近に、描かれているなあと、3冊読んで思いました。

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