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赤い鼻の子にも、青い鼻の子にも、居場所はある。

だから、生きてほしい。と思う。



どうして、10代は親の指図や、教師の言い訳、クラスメイトの罵詈雑言に振り回されないといけないんだろう。そんなの、学生が終わったら何の役にも立たないのに。

私は、聞いてるふりして聞かない3年間を過ごしていました。
無理やり入らされた部活で「出ていけ」「辞めろ辞めろ」と言われ、
辞めたいと申し出たら辞めるな、と教師に言われ、
話の合わない親からは「あんたとおったら病気になりそう」と言われ、
クラスメイトからは「あおじる」と呼ばれ、ちょっと手がぶつかると「キモイ」と呼ばれる。
見かねた親が教師に相談しても「いじめられる方が悪い」と言われる始末。

人権なんか、なかったし、「ああ、私って生きる価値がないんだなぁ」と本気で思っていました。だったら誰かが私を殺してくれたらいいのに。
自分で死にたくないな。死んでもきっとあいつら反省しないな。なんて思っていました。
(今では、相手の立場になって考えられるようになりましたが)

もう、本当に学校なんか行きたくなかった。
なんで1日のうちの7時間を校舎で過ごさないといけないのか、全く理解できなかった。

でも、そこで「ここに居場所があるよ」なんて言われても、私は絶対行かなかったと思うんですよね。
「お前だれだよ」って。「興味ねーわ」って。確実に思うし、思っていました。中学という小さな社会で全否定されているだけで、全世界から否定されているように感じるので、誰も信用できなかったんですよね。あくまで私の場合ですが。

あの頃の私は、学校から逃げることでもなく、親が決めた避難所でもなくただ「必要とされている」と感じられる場所を必要としていました。


■違う鼻の色を持った2頭のトナカイ

今回のエントリータイトルにある「赤い鼻」「青い鼻」はトナカイのことです。

「真っ赤なお鼻のトナカイさんは、いつもみんなのわらいもの
 でもその年のクリスマスの日 サンタのおじさんは言いました」

「暗い夜道はぴかぴかの おまえの鼻が役に立つのさ」
(赤鼻のトナカイ 新田宣夫訳)

このあと、いつも泣いていたトナカイは、サンタの言葉に喜んで、ほかの仲間のトナカイとソリを引きます。

このサンタさん。決してこのトナカイを慰めるために言ったのではありません。
歌の元となった児童書には「霧が濃くなったため、赤い鼻で照らしてほしいという思いから普段は選ばれないルドルフ(=赤鼻のトナカイの名)を選んだ」という内容が描かれています。サンタさん自身も助かる―つまり、本当に必要とされていた―から、ルドルフは選ばれたのです。

「暗い夜道はぴかぴかのお前の鼻が役に立つのさ」

コンプレックスであった鼻を役に立つ、と心から言ってくれるサンタさん。
ルドルフは自信を持ち、そこから急に世界が変わります。

一方、「青い鼻」はマンガONE PIECEに出てくる青鼻のトナカイ、チョッパーのことです。
チョッパーも青い鼻というだけで仲間のトナカイから疎まれていたうえに悪魔の実を食べてさらに疎まれ、人間からも追われていたところをDr.ヒルルクに救い出されます。

こちらも、ヒルルクに出会って初めて「生きていていい。生きていることを望んでくれる人がいる」ことを知りました。
(詳しくはマンガで。ハンカチ必須。)チョッパーもまた、ヒルルクに出会い、生きる道を見つけます。


■会話しなくてもいい。1日過ごせる本屋がある。

…と、これはあくまで持論であり、実際中学生の時期に必要としてくれる人に出会えることは、そうそうないのでは、とも思います。
私も、結局出会えなくて、自分の出した結論は「この3年間を棄てよう」でした。

この3年を耐えたら、私は好きな事をやる。
当時の思いは、今も私を突き動かす原動力になっています。

私は、今まさに踏ん張っている彼ら彼女らに対して、かける言葉が見当たりません。でも、会話しなくてもいい。ただ1日、和室で過ごせる本屋を、用意することはできます。せんぱくBookbaseは、親からも学校からも離れた、でも、いざとなれば帰れる距離にある町の本屋です。

正直、訪れた人全員を継続して歓迎できるかはわかりません。
だから「あなたを受け入れるよ」とは言いません。

せんぱくBookbaseには、こどもなら無料で過ごせる和室がある。

なんとなく、ただ、それを伝えたいな。と思い、書きました。

疲れたいのち、本屋の和室で、寝かせてみませんか。
どうか、消してしまわないように。と、願ってやみません。


サポートしてくれたあなたに、幸あれ!