”妾”　March 2017

○

あなたのことを、

死んでも許さないわ

わたしが許してしまったら、

もうわたしにはあなたは必要なくなるでしょ

全てを許してしまったら、

もうわたしはあなたの側にはいられない

だから、わたしはあの時

決してこの先も未来永ごう

あなたのことを許さないと

誓ったの

わたしはものすごい形相で死んだでしょ

渾身の力を振り絞って

あなたを睨みつけてやった

これで終わると、思うなよってね

さっさと、見切りをつければよかったのに

そしてわたしの予定通りね

レッスンが終わるまでは

続くのよ、それは

だから許さないの

また、出逢ってそして

またおんなじようにあなたが私を怒らせて

わたしがあなたを許さなければ

そうすれば、

まだあなたにぶらさがっていられるでしょ

許さない

あなたのことが、嫌いよ

絶対に、許さない

○

なんだかね

わたし

疲れたの

許さないって

きっとあなたが思っているよりも

結構疲れるのよ

わたし、がんばったでしょ

でもあなたのことを

許そうと

そう思うと

なぜか、

涙が止まらなくなるの

それをね

何度か

もう疲れたから、許してあげようってするたびに

悲しくて

悲しくて

涙が溢れて

なぜななのか、わからなくて

そうしたら、

ああ、あなたのことを許したときが

わたしがあなたから離れていくときなんだって

わかったわ

どうしたらいい？

でももうこれいじょう、頑張れそうにないの

あなたのこと、

そろそろ

許してもいいかな

許してくれる？