【799回】細見均「絵心がない先生のための図工指導の教科書」
本書を手にしたのは、出版社のページで目次を確認したからだ。
つまり、「図工の評価について知ろう」と「不安解消用具指導のポイント」である。
特に、「作品の評価の仕方」の項は、強く唇を噛んでしまった。
どれだけ、今まで、「本人が楽しそうだからいっか」「一生懸命やっていたなあ」「思い思いの作品を作っていた」と感覚で評価していたか。
おそらく生徒は、自由に作った、楽しかった。けれど、これが何の勉強になるんだ?と思っていただろう。
大切なのは、「目標」なのだ。
いくら、おもしろい作品ができあがっていたとしても、授業の「目標」から遠のいていたら、評価は最高評価にならない。
図画工作や美術でも、目標があって評価がある。
忘れないようにしなければ。
もう1つ。道具の使い方について。絵の具についても、色の混ぜ方、パレットの使い方、なぜ今まで知ろうと思わなかったのだろうという知識が載っていた。
まず、自分が筆を持って、絵の具を堪能したくなる。
そうやって、自分で操作して、指導のポイントを発見・確認するのだ。
楽しいぞ。
図画工作・美術科の指導の基本を学ぶために参考になる、充実した1冊だ。