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【752回】岡田淳「学校ウサギをつかまえろ」を読んだ

初めて岡田淳の作品を読んだ。文書の理解を助けてくれる豊富なイラストも著者本人が描かれていた。さすが、図工の先生だ。

僕が小学生だったころ、1986年の作品だ。

僕の小学校にもウサギがいた。僕自身飼育係だった。工事現場や休日の学校に侵入、家と家の隙間などの裏道を歩く、空き地の穴掘り、校区外の街にこっそり行く。

大人に出会ったらどうしようとハラハラヒヤヒヤしながら、ひとつひとつ冒険だったかもしれない。


物語には、工事現場の兄ちゃんが出てくる。僕が小学生だったなら、とにかく言い訳をするか、謝るか、逆ギレするかをして、この場から逃げようとしただろう。


それほど、小学生のあの頃を思い出す作品だった。


そして、僕は小学生のとき、岡田淳の作品には出会わなかった。当時、ミニ四駆やファミコン、ビックリマンシールにハマっていた。読書は漫画のドラえもんばかりだった。読書はめんどくさかったのだ。


大阪の小学校に通っていた僕は、兵庫県の小学校で物語を作る図工教師の存在に気づけなかったのだ。

人生も半分をすぎて、真冬の北海道で読むなんてね。

何がどうなるかわかりませんね。