木村映里

看護師と物書きを行ったり来たり。

医療とタトゥーは共存し得るかータトゥーアーティストの語りを考察する

医師免許なくタトゥー施術を行ったとして、医師法違反で大阪のタトゥーアーティストが2015年に逮捕、起訴され、第一審の有罪判決から一転、2018年11月に無罪判決が言い渡されました(1)。

世間の関心を大きく集め、現在最高裁へと上告されているこの事件は、医療関係者の間でも好奇心とわずかな危機意識を持って注目され、私の周りでは、非医療従事者は「タトゥーは文化だ」「絵心のない医者に彫られるなんて御免」

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医療従事者が知るべき、性風俗の話

昨年日本では44年ぶりに、梅毒の感染者が5000人を超えました(1)。

2011年頃から増加が指摘されてきた梅毒ですが、大きく話題になったのは昨年です。性風俗の仕事をする女性と結び付ける報道が多いことが印象的でした。

男性患者の大半が30代以上である一方で、29歳以下の女性患者が急増していること、同性間での性交渉よりも異性間の性交渉での感染が増加していること、また梅毒の届出の備考欄に、性風俗産

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生活保護が嫌いな医療従事者達へ

少し前に、医師がTwitterに

「胸部大動脈瘤破裂の身寄りのない80代男性。生活保護。救命率は限りなく0に近かったが、緊急手術。止血できず、人工心肺のままICU帰室し、術後2日目に死亡。恐らく数千万円は掛っただろう。国民全体の医療費を個々の医師が考えなければ国が破綻すると痛感した症例だった」

と書いたことが話題になりました。

この医師は「日本の医療財政・資源が有限であるのに、どのように分配

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自然派助産師・看護師が生まれる理由

先月あたりでしょうか、助産師を目指す学生向けの教科書に、産後の母親が乳房をキャベツで冷やす「キャベツ湿布」なるものが、医学的な根拠のない民間療法にも関わらず写真付きで掲載されており、助産師学会がメディアの取材に曖昧な回答で逃げたことを含めて、助産師への信用が危ぶまれた出来事がありました。

キャベツ湿布、ジャガイモ湿布といったエビデンス皆無の民間療法をはじめ、子宮を温める、潜在意識、脱ステロイド、

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タトゥーの誤解やあれやこれ

タレントのりゅうちぇるさんがご家族の名前をタトゥーにした影響か、タトゥーの是非について論じている方をTwitter上でよく見かけるようになりました。

「タトゥーを差別するな」「いや差別させてるのはお前らだろう」というものと共に、悲しいことに、タトゥーのデメリットを異様に誇張する文面や、ありもしないリスクも大量に流れてきます。

タトゥー・刺青が「肌にインクを入れる」という性質を持つ以上、医療に関

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