気温が30度を超える日が続き、寝苦しい夜も増えてきました。なかなか寝付けなくて、うんざりしてしまう時もあるのではないでしょうか（私は大いにあります）。

あと季節問わず、いろいろな感情や思考が突然頭の中でぐるぐる回り出して、寝れなくなっちゃう時もありますよね。

自分は毎日音楽を聴きながら布団に入るのですが、なかなか寝付けない時に「これを聴くとスッと眠りに入れるな」という作品があります。今回はその一部を紹介します。

①Bon Iver『I,I』

…正直、Bon Iverのアルバムだったらなんでも眠りにつける気がします。あ、でも『22, A MILLION』は2曲目の音のデカさにびっくりして逆に目が覚めちゃうか。笑

私が最近聴いているのは最新作『I,I』。Bon Iver印のジャスティン・ヴァーノンの美しい声に心が溶けます。エフェクトによるボーカルの揺らぎも心地いい。

個人的にめっちゃ好きなのは「U (Man Like)」。この曲のエレピの伴奏＋ファルセット＋合唱コーラスの組み合わせが大好きで、ちょっと別世界に行ってしまったかのような感覚になります。今年1月の来日公演でのパフォーマンスも素晴らしかったなぁ・・・

綺麗な歌声と音色に心を動かされながら、おやすみなさい。

②Beirut『Gallipoli』

金管などが入りながらも素朴で、シティではなくて郊外っぽさが滲み出ているようなアルバム。歌も抑揚などは少なく、フォークのように終始伸びやかに歌っているという感じです。

まるでその日その場所で思ったことを即興で歌にしているみたいだし、旅路を行く時に見える風景（遠くにそびえ立つ山々とか、澄んだ空気とか、街とか）を音で表したような広大なサウンドが素敵。

そう、なんか全体的に「旅」っぽいんですよね、雰囲気が。作品紹介文にもそのようなことが書いてありますけども。

ベッドの中にいても、異国の空気を胸いっぱいに吸い込んでいるかのような気持ちになれる。そんな趣に浸りながら、おやすみなさい。

③XTC『Black Sea』

『Skylarking』かなーとも思ったんですが私が最近聴いているのはこちら。XTCらしく愉快な一面もある曲なんですけど、うるさくないというか、なぜか落ち着けるんですよね。

なんとなくですけど、その理由はアンディ・パートリッジの深みのある声や、低めのトーンで横に広がっていくイメージのスネアの音にある気がします。まぁ要は包容力がすごい。曲のテンポも歩くくらいのスピードでそんなに早くないものが多いので、割とゆったり聴けます。

温かみのある声と聴き心地のいいバンドサウンドに心身を委ねて、おやすみなさい。

④Rei Harakami『わすれもの』

Rei Harakamiさんの曲って、なんかひとつひとつの音やビートがカラーボールになって、ぽんぽん弾んでいるイメージなんですよね。だから彼の音楽作品を聴くと、そのボールの行方を耳で追いかけているような感覚に私はなります。

エレクトロニカだけど「華やか・派手」というよりかは「愛らしく」、「踊る」というよりかは「聴く」に近い。個人的にはあまりこういうエレクトロミュージックに出会ったことがなかったのでとても新鮮です。

カラフルで可愛い音色の玉を追いかけて、いつの間にか、おやすみなさい。

⑤優河『魔法』

とりあえず1曲目の「さざ波よ」だけでもいいから聴いてみてほしい！弦楽器のような優美でどこまでも伸びていく素晴らしい歌声に、一瞬で心を奪われるはずです。波が寄せては返すくらいのテンポで打たれるスネア、何かを語るようにセカンドメロディ的に弾かれるギターも至高。

正直に言って、私はもうこの1曲だけで眠りつけることがよくあります。それくらい夢見心地でリラックスできて、精神が開放されるような音楽なんです。

そのほかの収録曲も、ゆったりとしたリズムと美しい歌声が堪能できるものに。寝る前だけじゃなくて、たとえばなんか嫌なことがあった時とかに聴いてもいいかもしれません。この作品を聴きながら物思いにふけていたら、アルバムが終わる頃にはなんだか希望が湧いてそう。

疲れたり傷ついたりした心を麗しい音楽で癒しながら、おやすみなさい。