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学びの架け橋:メンターの存在

人生は不思議だ。色々な人との出会いの中で道が作られていく。様々な人にお世話になり刺激を受けてきたが、その中でも2人のメンターには多くを学ばせてもらっている。

一人目はOさん。Oさんとの出会いは2015年。筆者はシンガポールでの研修員生活を終えて、留学すべく準備する中でケネディスクールの説明会に行く。珍しく自分と同じ商社出身ということで説明会の後に挨拶をして名刺交換、筆者の食事のお誘いを快く受けてくれ、そこから四半期に一回ほど飲む仲に。精力的に動かれていて多忙を極める中、会社も違うのに快く話してくれアドバイスをくれる素晴らしい兄貴。彼と出会った当初は話をさせてもらう度に刺激的で興奮してなかなか眠れなかった記憶がある。今では米系ファンドの要職を務めつつ、東大でPhDを取得し研究を継続すると共に、設立したベンチャーも売却するなど、違次元の活躍を続けられている。起業の試みを一緒に行ったり、ご自身の勤務先に誘ってくれたり、ケネディスクールの受験でも推薦状を書いてくれる等、お世話になりっぱなし。カリスマ性が高く、後輩の信頼も厚い、目標とする先輩であり続けている。能力値も異なるので同じ土俵には上がれていないのだが、遅ればせながらではあるが、彼の辿ってきた道を多少は辿っているような感覚があり、彼がケネディスクールを経て自らProactiveに道を切り開いた背景、PhDを取ることにした理由等も朧気ながら理解できるようになっている気がする。

二人目はKさん。Kさんは筆者が所属する総合商社で嘱託社員としてエネルギーデリバティブ取引の専門家として雇われた人物。政治経済に関する造詣が深く、彼は世の中に名が売れているわけではないが、歴史を貪欲に学び構造的に理解し、日々丹念に読み漁る世界中の情報を歴史に照らし合わせながら、ゲームのルールや世界が向かっている方向を極めて明快に分析し常に楽しんでいる。嘱託社員は通常5年で契約が切れてしまうところ、所属を変えながら15年超に渡り請われ続けている人物。シンガポールで研修員として仕事が大変すぎて心折れそうな中、彼のレクチャーを日々の活力にしていたことが懐かしく思い出されるし、彼と話す中で益々ケネディスクールへの興味が高まっていったのだと感じる。継続的にビデオコールさせてもらっており、正直、今受けているケネディスクールの応用歴史学の人気授業よりも彼の話の方が面白いのはここだけの話。

二人の話にいつも引き込まれてしまうのだが、何故引き込まれるのかと言えば何よりも彼らの高い知的好奇心だと思う。筆者は知的好奇心が高い人に憧れる傾向にあるようだ。陸軍士官学校出身で戦後に事業を興した祖父も知的好奇心が非常に高く、晩年になっても精力的に物書きをしており、いつも歴史や政治について色々な話をしてくれ、その話を聞くのが好きだった記憶が思い出される。

学部時代からハーバードケネディスクールに行きたい気持ちは心の片隅に持ち続けてはいたものの、ビジネス経験を相当程度積んで、MBAも取って、子供も出来て、今更かなとも思っていたが、後悔しないようにと突貫工事で受験。この先どういう道になるのかはわからないが、尊敬するメンターたちとの出会いなかりせばケネディスクールへの興味は失われていただろうし、この年になってケネディスクールに通うことになったのは運命のいたずら、というか天命なのだと感じている。

一期一会、人との出会いは大切にしていきたい。


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