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においの正体

June 30, 2021

あっという間に6月も最終日。明日からはカレンダーも夏の景色です。夏は暑さで食事も面倒になりがちですが、大葉、わさび、ねぎ、しょうが、にんにく、すだちといった薬味がおいしく食べられる季節でもあります。きりりとアクセントのある香りは食欲もそそり、元気が出ます。

夏の食事を彩る薬味はいたって健康的ですが、サンフランシスコを散歩していると、どこからか漂うハーバルなにおいがあります。高速道路で車の窓を開けているとふわり、バス停の近くでふわり、電車の駅でもふわり。
つんとしたにおいの正体はマリファナ(大麻)です。

日本では大麻取締法により大麻の所持、譲り受け、譲り渡しは罰せられますが、カリフォルニア州では2018年1月から、21歳以上であれば嗜好目的での大麻の使用が合法化されました。今年にはニューヨーク州も嗜好用のマリファナを合法化し、これでアメリカ50州のうち15州がマリファナの嗜好での使用を認めていることに。マリファナは、国連の「麻薬に関する単一条約」で厳しく管理される薬物とされていますが、アメリカではすでにマリファナの使用が世の中にまん延していること、マリファナの使用で逮捕される人が人種的マイノリティに偏っていることから、あえて追認して合法化することで社会的にコントロールするという考え方で、合法化が進んできたようです。

マリファナは大学のキャンパスでもふわりと漂ってくることがありますが、オフィスも含め、社会的な場所で「たしなむ」人はもちろんいません。良識人であればきらう人が多く、たとえばあまり治安がよろしくない地域のバス停はにおうことが多いですが、眉をひそめながらそれとなくにおいの震源地から距離をとってバスを待つ、という具合です。ウーバー(乗合タクシー)の車内でマリファナのにおいがした場合は運転手はクレームの対象となったり(「犯人」は別の乗客でした)、ホテルで前の宿泊者のマリファナの残り香が漂っていたために部屋を替えてもらう、ということもありました。「合法」とはいえ、決してほめられるものではありません。

さて、日本でマリファナの不快なにおいに出くわすことはありませんが、日本にはパンチのある香りで元気が出る健全な食べ物がたくさんあります。今日はノー残業デーです。2021年の上半期をがんばった自分(いま職場メールを読んでいるだけでえらい!)をいたわって、きょうは早めに業務を切り上げて、にんにくと唐辛子の効いたペペロンチーノ、納豆にねぎ、ぶたキムチ、ニラたま、ラー油で餃子...と、お口のにおいは気にせず、自分に乾杯するのはいかがでしょうか。いまならマスクをつけているので明日も安心です。

*オレンジページ:きょうの夜ごはん候補に。
https://www.orangepage.net/features/41

*料理家コウケンテツ:定番料理をおいしく。 ※Youtubeなので音が出ます
https://www.youtube.com/channel/UC3p5OTQsMEnmZktWUkw_Y0A

*一人前食堂:ひとりぐらしでもおいしく。 ※Youtubeなので音が出ます
https://www.youtube.com/channel/UCk8HTeS7wRRam6nEKZkH1eA

※日本では大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、五年以下の懲役に処されます。日本の大麻取締法は国外犯規定が適用されるため、日本人が海外で大麻を所持することも処罰の対象になります。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC0000000124

(写真:マリファナのオンラインショッピングの広告)


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