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ぼやぼやしたもの

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あたまの中のイメージを表したかったらしい。
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素直さ

素直さには、時間的制約が存在しない。放たれた瞬間、だれかに観測されたが最後、その人間の中…

えりん
3年前
3

若さは観測されなければ死と同じ

先日、長年このために走っていたともいえる、自分の仇を自分で討つという出来事を経験し、つい…

えりん
1年前

破壊

ぞっとするほどの平穏が広がっていた。最果てを繋いでいる長い水平線は、端にいくにつれ少し丸…

えりん
2年前
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消えたろうそく

ふうっ。 その日は誕生日だった。とはいえ、いつもと何ひとつ変わらない日常。良くもなければ…

えりん
2年前
5

無 part1

まるい。えん。杞憂。そして雨。降り注いで、咲いて、光る。じゅわっと、そっと、ぱちぱち。飲…

えりん
2年前
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ただ徒らにこの世界で踊っている

心が震えるものに出会ったとき、わかるのだ。あ、またこれだ、と。全身の血液が沸騰していき、…

えりん
3年前
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Surrendering

”なにもない。ただその流れに身を任せてふわふわと漂っている。意志を持たず、また何からの支配も受けない。ただ満たされた状態。たとえ傷ついたとしてもそのうち回復する。たとえ老いたとしてもそのうち若返る。”  …フフッ。これが僕の説明。なんで存在してるんですか、だって?うーん、ずっと浮いてるんですよね、こうやって。というか浮いてるって表現も僕の感覚からするとおかしくて。固定されていたことがないので。むしろそんなことを考えるほうが違和感なんですよねえ。時間も世界も絶え間なく一定の速さ

あたたかいこと。

体育があって少し疲れた日の五時間目、国語。昼前に動き回ってぺこぺこになったお腹も、昼ご飯…

えりん
3年前
8

せかいでいちばんクリーンなところで

最初のそこでの記憶は、明るくてグリーン色のきつい独特な匂い。ビルの6階の狭いスペースに待…

えりん
3年前
2

リアルなわたしの生活

朝は違う部屋にいる他人のめざましのかすかな音で起き、焼いたトーストにレタスとサラミ、アボ…

えりん
3年前
2

作品に込めた祈り

心から感動するとき、それは、他者の生み出すものにその人の途方もなく緻密な歴史が感じられ、…

えりん
3年前
2

雨の日の東京

なぜか強いられてきた汚くて使い勝手のわるいものより、良い色眼鏡をかけていきたいじゃないで…

えりん
3年前

みんながプレイしているRPGの話

みんな、知らないうちに滑り台から好きなトンネル選んで落ちてきた。最適なコース。自分で選択…

えりん
3年前
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張り詰めた音が見える街

「今日もまた、終わってしまった。」 淋しそうに凍える木々が体感温度をより一層下げる。僕は街路樹を横目に感じながら、ひとり会社からの帰り道を無心で歩いていた。それはひどく寒い夜だった。人っ子ひとり通らない路。冷たく硬い打ち込まれたコンクリートの壁。崩れそうなほど繊細に取り繕われたショーウィンドウ。暗雲が立ち込め今にも滴が落ちそうな空。何も聞こえないという音だけが聴こえる静寂。 この世界には僕だけで、他の人間は存在しない、もしくは仮に存在したしても永遠に混じり合わないのだ。と