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言語学習始めどき

最近子供たちに
言語を教える仕事が増えてきた。
日本人の子供たちには英語、
アメリカンの子供たちには日本語を教えている。

全部で5人(それぞれマンツーマン指導)
だからそんなに生徒数は多くないけれど、
今まで一人だったところから5人になると、
それぞれの子の特徴が見えてきて、
私が教師として一人の子から学んだ事を
別の子に応用できたりする。

負けず嫌いな子、負けず嫌いを超えて
1問でも間違えると泣きながら自分を叩く子、
とにかく完璧になるまで復習したい子、
逆に同じ事を繰り返すのが嫌な子、
始めるまでは落ち着きが無いけれど
一旦始めるときちんと集中できる子、
ディスレクシアがあり母語が書けないのに
なぜか外国語が書ける子
それぞれ特徴がある。

性格、兄弟の中で何番目、
理系の頭か文系の頭か、
そういう要素もある。

様々な要素の中の一つが「年齢」である。
そしてそれに関してよく聞く話題であるのが、
「子供をネイティブ並みの
イングリッシュスピーカーにするには、
小さい頃から始めなければいけない」
という主張である。

年齢の違う子供たちを見ていて思ったのは、
「発音に関しては」幼い時から始めた方が
良いかもしれないが、他の部分では
逆に年上の子の方が有利なこともあるという事。

日本語でも英語でもローマ字でも
表記の仕方を学んでいなくて、
全て耳から聞ける、という意味では
幼い子の方が有利かもしれない。

しかし発音以外の面で見ると
年が上になってから始めても
それはそれで良い事がある。

年が上になるにつれ
母語の能力が備わってくる。
そうするとそれに伴って、
物事を認識したり理解したりする能力も向上する。

物事を認識したり理解したりできると
外国語を学ぶ際も、文法構造・綴り、
なんでこの単語はこういう言い方で言うのか
といった説明が頭に入りやすくなる。
そして理屈が分かると記憶が定着しやすくなる。

また単純に母語の語彙量が多ければ
それに相当するものとして
当てはめることのできる外国語の語彙量も増える。

つまり、幼少期に言語学習を始めるか
思春期に入って始めるかで
教え方を変えるのが大事という事。

幼少期だったら「習うより慣れろ」的に
たくさん音を聞かせて耳から学んだ方が
効率が良いかもしれない。
思春期くらいまでいったら
母語での説明を少し増やしても良いかもしれない。

もちろん一番理想的には
きちんとそれぞれの子を見ること。
そうすればわざわざ年齢で区切らなくとも
それぞれの子に合った教え方が見えてくる。
…が、念の為に、自分の備忘として、書いておく。

私は、文章を書く時、だいたい自分の経験から書きます。したがって、いただいたサポートは、今後も様々な経験をしにいくことに使わせていただきます。