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論文を読むための3つのTips

みなさんは論文を読み解むときどんな読み方をするでしょうか?

そもそも論文なんて読まないよって方が大半だと思いますが、今回は、これから研究室に配属されるであろう学部生に向けて、いくつかTipsを紹介していきたいと思います。

ちなみに誰でも論文が読めるようになる翻訳サイトを利用した邪道な方法や慣れると爆速で読めるようになる方法も紹介しているので、良かったら見てみてください。

実際、私は学部生どころか修士の間も、今回紹介する方法を実践することなくダラダラと読んでいました。今思えば、時間を無駄にしたな~という印象です。


段落の最初の文を読む

段落というと小学校で習う文章の塊ですね。誰でも知っている段落ですが、英語の段落(パラグラフ)の意味を知っている人はそんなに多くはいないでしょう。

私も恥ずかしながら博士課程に入るまでパラグラフの意味を知りませんでした。

英語の段落(パラグラフ)というのは、1つの意味の塊です。パラグラフにはルールがあり、最初の文をトピックセンテンスといってそのパラグラフの一番言いたいことを表しています。続く文章は、その補足事項を追加しているだけなんです。

つまり、論文の読み方でよく言われるトピックセンテンスだけを摘み取れば良いというのは、その通りでパラグラフの最初の文章だけを読めば論文が言いたいことがわかるわけです。

論文を読むのが爆速な人ほど、トピックセンテンスしか目を通していないという人は多いと思います。


背景(イントロ)が意外と重要

論文の本編が始まって一番最初

イントロは特に意味がないといわれています。実験結果ではないですからね。そのため、かなり優先順位の低いイントロですが、実は何も知らない学部生にとってイントロは大事な勉強材料になるんです。

それなりに研究を進めてきた研究者たちはイントロを読まずにいきなり実験結果を見ても、これまでの歴史的背景、研究グループのこれまでの仕事、自分の研究との位置づけが理解できるのかもしれません。

しかし、学部生しかり大学院生はせいぜい1,2年程度しか研究していないわけなので、そんなディープな世界を知っているわけないんですよね。

そのため、はじめのうちは強がらずイントロをしっかり読むのもおすすめします。順番は最後でもいいかもしれません。それでも精読する際にはイントロも一緒にしっかり読んでみてください。

イントロは、その研究分野の歴史的背景、学術領域、研究の可能性など、幅広くわかりやすい話から導入してくれます。だからイントロダクションなんですけど…

また学術雑誌をよく見ると大手雑誌Scince, Natureに関しては、その入りは極限まで広く、化学というものは…とかナノテクノロジーとは…など、一般向けの科学雑誌の導入ぐらい超広いお話から入るので、とっつきやすいと思います。

助動詞に着目する

あまり、この方法を提唱している記事を見たことがないのですが、個人的には意外と大事だと思っています。

論文というのは、著者がデータを示しながら自分の意見を主張する公式な場です。つまり、文章は論理的に書かれているとはいえ、著者の意思が介在していることになります。

そこで、使われている助動詞にフォーカスすると、意外と著者の気持ちがわかるのではないかというのが私の仮説です。

私たちが英語の助動詞を使うときはwill(未来), can(できる) , should(すべき)がパッと出てくるのではないでしょうか

しかし、英語論文ではこのような使われ方はあまり見ません。せいぜい可能を表すcanぐらいでしょう

とはいえ、よく見ると以下のような助動詞が”可能性”という意味を持って使われている様子をよく見ます。そんなときは下の画像を見てみましょう

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こあらの学校より引用

こちらの画像がわかりやすくて、私はいつも参照しています。基本的にデータを示すときは助動詞を多用しません。なぜなら、それは実験で得られた事実だからです。

逆に助動詞が使われているときは、少し論理を進めたお話をしています。具体的には現象やメカニズムの仮説、今後の展望・可能性などです

このとき、助動詞の種類を見ることで、著者がどのくらいの気持ちで言っているかわかります。たとえばwillやwouldが使われている場合は比較的可能性が高いと考えているわけですし、逆にmayやmightが使われているときはちょっと無理言っているか、少し飛躍した希望的展望を語っていることが多いです。

可能と推量のcanを認識するのは難しいですが、それ以外はほぼ推量で使われていると考えられますね。


最後に

今回は私が学部・修士の頃に知らなかった論文の読み方について紹介してみました。助動詞読みのところはあくまで一意見という立場で考えてもらえればいいかなと思います。

論文を読む効率を上げればインプット量が自ずと多くなります。学生にとってインプットは研究成果を出すのと同じぐらい大事なことだと(個人的には)思います。

今ではネットで調べるといろいろと論文の読み方があると思うので、いろいろと目を通して自分に合った方法を見つけてみてください。

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