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人をひきつける研究プレゼン

今回は人をひきつける研究プレゼンについて考えてみたいと思います。

少し前にとある研究機関で広報をやってる方のオンライン講義を聞きました。

研究とは程遠い一般人に自分たちのやってる研究をいかに面白く伝えるかという内容です。

いろいろとためになる話を聞けましたが、最も重要なことは聞き手の心を揺さぶるということだそうです。
聞き手の心を揺さぶって、もっと聞きたいという心理にすることが重要だと学びました。
そして、そのような心理状態に持っていくためにストーリーを組みたてるらしいです。

このやり方はもともとテレビで使用されている手法だそうで、私たちはまんまとこの策に乗せられてテレビ番組を見てしまいます。

基本的に研究者は正確性を重要視した結果、よくわからない単語を並べ立ててしまいますが、一般人はそんな話を最後まで聞いてくれません。

例えば、最近話題のスーパーコンピューター富岳が世界一の性能といわれても、多くの人(私を含め)は何がすごいのかわかりません。
しかし、この富岳を使えば世界中を悩ましているコロナウイルスのワクチンの手がかりをつかめるといわれてると急に興味がわいてきます。

結局、世界一というのは響きがいいですが、わかりにくい計算性能をグダグダ説明するよりも多くの人が興味のある事柄に絡めて話をしたほうが、聞き手はもっと知りたいという気持ちになるわけです。


そしてこの話を聞いたときに思い出したのが、ドラマ・映画監督であるJJエイブラムスがTEDで語っていた内容です。

JJエイブラムスは社会現象を引き起こしたLOSTの制作者で、アメリカでは超有名なクリエイターの一人です。※
彼が作るミステリードラマは世界中の人々を謎の中に引き込みます。多くの視聴者は彼の手のひらの上で踊らされます。そんなエイブラムスはTEDの講演でドラマ作りの基本的な考え方を話しています。

情報を出さずにとっておく(あえて隠す)
次から次へ謎を提示する
重要なのは本質(フォーマットを猿真似しても意味がない)


さらに、この講演が謎の箱(the mystery box)という題目で、そのタイトルからも多くの人はどんな話なんだろうと興味を持ちます。


JJエイブラムスの話は、視聴者をひきつける点としてオンライン講座と似通ったところがあると思います。

実は、このロジックはジョブズのプレゼンにも使われているようです。
はじめからすべてを提示しなかったり、次から次へと興味を持ってもらえるような内容を示したりという点はスーパープレゼンターも使用しているのです。

ジョブズのプレゼンの極意の中には、サプライズ演出やユーモアも重要といわれています。
これはJJエイブラムスの作品やTEDの講演を見ても感じられます。
結局、だれが始まりなのかわかりませんが、体系的にこの考え方はあるようですね

学会発表では

1つ注意しないといけないのは、上記のやり方はあくまで多くの人をひきつけるための概念的なお話で、学会みたいなところでは使えません。

基本的に、学会レベルの研究報告では作法があるので、それに従ったやり方をするべきです。これはオンライン講座も注意点として挙げられました。

私の周りで言われているのは、次のスライドの内容が予想できるようにして、順当に進めるという方法です。

背景→目的→方法→結果→考察→結論

という順番ですね。これは万国共通な気がします。

聞いてる側が想定できる順番に従って話が展開されていかなければ聴衆は聞くのをやめてしまいます。


私は重度の海外ドラマのファンなので、学部の頃はわかっておらず、伏線というほどでもないですが、数枚後のスライドで説明を回収すればいいだろうと思っていました。

しかし、実際に聴衆は1つ前のスライドぐらいしか内容を覚えていないんですよね。たいしたことない学生1人の発表で伏線回収なんて誰も覚えていません。初心者がつくるプレゼンでは、常に1つ前のスライドに関連付けてストーリーが展開していくほうが良さそうです。

たまに見かけるパターン

時にスティーブ・ジョブズのプレゼンがすごいからそれを真似すればOKみたいな風潮もあります。
いろんな本があって、その通りにやればうまくいく的なノリです。
しかし、それはかなり難しいような気がします。

例にあげたJJエイブラムスもそうですが、彼らのやり方を真似したって同じクオリティでできるわけないのです。才能も経験値も違いすぎます。

個人的には、ノウハウ本に書いてあるやり方をそのまま真似するのではなくて、もう少し抽象化したほうが良いと思います。それを自分のプレゼンに入れていけるように努力するのが正解に近いような気がします。

最後に

多くの人が提唱している、「聴衆の心を揺さぶる」・「もっと知りたくさせる」という点はかなり重要だと思います。

そのため、自分なりに工夫して、この根本的なところを抑えられるようなれば、きっと多くの人を惹きつけるプレゼンができるようになるのではないでしょうか

とはいえ、それがわかっててもできないのが現実です。
今後も人を惹きつけるプレゼンやアウトプットが出せるように頑張っていきます。


※JJエイブラムス:LOSTやフリンジ、キャッスルロックといったSFミステリードラマの制作者で、アメリカでは超有名な製作総指揮の一人。最近では、名作映画の続編請負人って感じになっており、スタートレックやスターウォーズの続編も手掛ける。

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