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霞が関にみる、ブラック企業の法則

ここ数年、官公庁の官僚が次々と辞めています。その理由について、千正康裕氏は「官邸主導によるブラック企業化」だとしています。

官僚は、「国を動かす・変えていく」という”やりがい”に燃えて入省した方が少なくありません。しかし、実態は議員の下請け業者化となっています。まさに「やりがい搾取」です。

人によっては、「高給取りなんだから、国のために頑張れ」という方もいるかもしれません。しかし、国家公務員=高給取り、というわけではないのです。

係員(25歳):3,095,000円
係長(35歳):4,480,000円
地方機関課長(45歳):6,686,000円
本府省課長補佐(35歳):7,231,000円
本府省課長(50歳):12,550,000円
本府省局長:17,728,000円
事務次官:23,274,000円

本省の課長補佐が、エリートコースに乗った方です。順調に行って、30代なかばでなれる役職です。20代は上記の通り、300万円台と一般的な民間企業の年収とさして変わりません。エリートコースに乗って初めて高給取りになれるのです。

また、エリートコース(事務次官に向けたキャリアパス)になれるのは、ほんの一握りで、このコースに乗れなかった官僚は、いずれかの段階で外郭団体や関連団体に天下っていきます。

(もともと、天下りはエリートコースに乗れなかった官僚向けのキャリアパスでした)

皆さんと変わらない給与で、ブラック企業のような帰れない日々を送っているのが、若手官僚です。しかも、仕事は自分たちからの発案ではなく、議員が浅慮で発案した法案ばかり。

そりゃ、辞めたくなりますわ。

ここにブラック企業の法則を見ることができます。

(1)入社前は「やりがい」を全面に押し出す
(2)入社後は低賃金で、労働過多な状況に追い込む
(3)そこから抜け出す道(エリートコース)はごくわずか

つまり、客寄せパンダで入社希望者を集めるが、そうなれるのはほとんどいない、という状況です。

官僚の場合、官邸主導(政治家主導)によって、そうなってしまったという状況がありますが、ブラック企業の構造そのものです。

この状況を改善しないと、早晩、政府はたちいかなくなるでしょう。まず、国が率先して、自分たちの現状を変えること。それがブラック企業の撲滅する一助となるはずです。

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