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胃の激痛と空飛ぶドクターと

「記憶にあるかないか微妙な子供の頃以来・・・・」と心の中で思った。

とにかく胃が痛くなった。激痛でのたうち・・・回れない。全然動けない、ぐらいの痛さ。こんなの子供の頃にあったか、なかったか記憶にないぐらい。

腰の曲がったおじいちゃんスタイルで調剤薬局に第1類医薬品を買う。薬剤師から買うやつ。しかし最低限の答えしか出せない。

🧑‍⚕️「胃酸上がってきますか?」
😎「とにかくめちゃくちゃ痛い」

という噛み合わないやり取りで薬を飲む。夕方・・・全然効かない。

真夜中にもう一回飲む。これもあんま効かない。

途中秘書に「明日治ってなかったら病院行くのでいいところ調べてほしい」とお願いする。医者に行かない俺が自分から行くと言い出す異常事態が起こっている。

実のところマンションの横が大きな病院なんだけど・・・・
なんだけど・・・・、以前調べたときに確認したところGoogleマップで★2.3と、どうやったらそんな数字を取れるんだ!というキセキの数字だったので行きたくない。

とはいえ夜間の救急だとここになるらしい。ま、それはそれで近すぎて助かる。でもここは行きたくない。

痛くて眠れないので気を紛らわせるために、調べてもらった病院の評判も見てみる。が、全然良くない。というかどこもかしこも総じて良くない😨

ただでさえ痛いのに無礼者に当たるのはかなりつらい。

そんな朦朧としきれない中、右を下にしたり左を下にしたり、上向いたりうつ伏せになりながら

😎「そうだ。空飛ぶドクターに聞こう」

と0時前にメッセした。

​😎「症状書く力ないけど、旭川の病院でいいところがあれば教えてほしい」

すると即レスが飛んできて、今は旭川の病院に詳しくないけどかくかくしかじか。症状はどうだこうだ。この2つの傾向はやばいけどそうでないなら気を楽に。という的確なレスが、割と長めの文章で連続して何度か送られてくる。

俺は詳しく書く気力もないし、とりあえず短い文章でレスをする。アドバイスに従って、クリニックに行けばいいこともわかったし、タクシー使っても遠くに行く力がなかったので、歩いて行ける新しいところを予約した。

ともかくめちゃくちゃ痛いけど悲観するほどではなさそうに思えた。それよりも精神的にひとまず落ち着いたことがとてもありがたかった。

個人的な偏見で、医者と教師はロクデナシしかいないと思っているので、

😎「え?人間味、人間味がここにあるよ?」

と、そのときは余裕がなかったけど、どの世界にも数%は本当に人間性豊かな人がいるのだなと思った。

メッセしたのが書店イベントの前の晩だったらしくて、文字通り背に腹は変えられなかったけど申し訳ないことをした。

空飛ぶドクターはこちら吉田 由紀子さん。

なぜ空飛ぶドクターかというと、まずは本のタイトルがそれ。

僻地の病院に医者が足りないことがあり
吉田さんが日本中飛び回って色々な病院で医療活動をしている。
いわば【フリーランス医師】。

北は北海道から南は種子島まで。
といいつつ、北海道の各所に出没しまくりで、先日は紋別→北見にいた。今はどこにいるのか謎。お住まいは埼玉らしい。

経歴がとても面白くて、もともと防衛医大→陸上自衛隊医官という異色すぎる経歴の持ち主。医者としての生き方がおもしろい。

■まずは書籍こちら

本は異色の経歴の時系列順に流れがあり、各地のドラマとか医療に関係する現場のことが書かれている。

個人的に超萌えたのは、函館から稚内に移動する話。
函館から札幌は飛行機。札幌で乗り換え稚内に飛ぶ予定。
ところが札幌からの飛行機が雪で欠航。
調べてみると旭川から稚内は特急が走っている。
けど札幌ー旭川間は大雪。

どう移動するのか?
病院と患者が待っている。
行かないわけにはいかない。
俺もよく移動していたし、海外でもストとかで足止め喰らうこともあったから興味津々の胸ドキドキで読んでいた。

​現在地新千歳。飛行機は飛ばない。旭川方面の電車も動かない。
動いているのは旭川ー稚内。
で吉田さんは新千歳から羽田に飛び、羽田から旭川空港。
(旭川空港の就航率は脅威の99%)
そこから特急で稚内、というどんでん返しをした。

​😎「あーすごいロマン感じる」
😎「困難に負けず物事を成すというドラマ」

に、興奮した😤​

さてその後激痛がどうなったのかの続きを。

​翌日朝イチでクリニックに行った時の激痛度は2割減ほど。
近所に最近できたであろうクリニックはとにかくキレイ。
あと受付の方も看護師の方も感じがいい。

​まず点滴となった。
点滴の中に強い薬が入っていて、栄養と共に流す。
点滴など20代前半ぶりかもしれない。
1時間ぐらい?点滴をして、痛みは5〜6割治まった。
家に帰るとほぼ痛みがなくなった。

​点滴が終わったら尿検査、血液検査、レントゲン。
胃カメラはないところだったので、後日別の病院に行ったほうがいいと言われたけど、現状かなり治まったので行っていない。

​検査の結果を待つ間に思う。

​なにしろ病院にほぼ行ったことがないので、
「これは胃がんが発覚したとか、糖尿病だったとかそういう場合どうしようか・・・」
そんなことになったらお金大丈夫か?
いっそもう治療しなくてもいいのか?
でもこの1日1晩の痛みだけでもすごくキツかったのに
あれがずっと続くというのはなぁ・・・

​まぁでもなったものはしょうがない。
淡々とやることやるしかないよな。
にしても、大きな病院に行くとか、手続きするとか
また行くとか、手術とかしたことないからやりたくないなとか
ため息出まくりの超絶面倒な生活になるんやろな。
とにかく俺はそういうのニガテなんだよ。

とか思いつつ、最終的に「ま、しょうがないか」となった。

で、医務室?に呼ばれる。
レントゲンが写っている。

よくわからん数字も見せられるが、よくわからん。

​医者は極力数字とレントゲンから読み取れることをなんとか言おうとしているが、『なんとか』言おうとするぐらいあまり根拠となるような異常がなかった

後からもらった数字と適正範囲を見比べると、1個を除いて全て適正範囲内だった。しかもその数値もネットで調べてみると、俺の数値が「適正に入る」見方もあるようで、危険だとか異常ではなさそうだった。

レントゲンもまた、激痛の原因になるようなものは見当たらず
胃痛になってから排便していないためにどうのこうの、という別の状態の説明だけを受けた。

家帰って、夜。
点滴の薬が切れたのか少し痛くなる。
処方された強めの薬を飲む。
翌日全然痛くない。綺麗さっぱりしている。
さらに翌日少し痛みを感じる。薬飲む。
その翌日、まぁ少し感じるので飲む。

というところ。

​じゃああれは何やったんや?というと
俺には俺の答えがちゃんとあるわけだが、今回の話題とは全然違う話になってしまうので今日はここまで。

​ま、なんというかちょっと生まれ変わったような気分。

​​

話を空飛ぶドクターに戻すと
吉田さんには今回のこともちろんありがたく思っているけど
俺の偏見にまみれた医者像を覆す親切さにカルチャーショック受けた。

​今回のこととはまた全然違う別のことでちょっと話したいな、と思ってる。

​フリーランス医師というのも珍しいから
本ぜひ読んでみてほしい。



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